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得体の知れない秘密(2)

「ちっ。餌で釣ろうと思ったのに」

「そこまで単純じゃないよ!」

 2分後。

「おいひ~~~~いっ! う~~~~ん! おいしくてボリュームもあって最高!」

 即オチ2コマのような素早さでオチた。やっぱり食べ物は人の機嫌を取るのにうってつけの道具だ。

 パクパクと、巨大なクレープを食べ進めている。

「…………」

「な、なによ」

「いや、その量をよくパクパクと食べられるなあと思って」

「ふ~ん。一緒に食べたいの?」

「…………」

 まあ、ちょっとぐらい味見してみたいという気持ちはなくもない。

「割とボリュームがあるから別に稜希が食べてもいいよ。ほら、口開けて」

 自分が食べていたフォークで使ってダイレクトにオレに食べさせようとしている。

「えっ、いいのか? お前のフォーク…………」

「えっなに、今更そんなこと気にしてるの? 今まで何度も同じ飲み物を飲んだこととかあったじゃん」

 たしかにあったが。あらためて食べさせてもらうというのはなんとも恥ずかしい。

「で、食べるの? 食べないの? 食べないならあたしが全部食べちゃうよ」

「あ、ああ。食べる食べる。どんな味なのかオレも気になるし」

「じゃあ、あーんして。はい、一番おいしいところあげるから」

 結月に言われるがまま、結月が使っていたフォークでパクリと食らいついた。間接キスになってしまったが、本人が気にしていないのならいいのだろう。

「おいしい?」

「ああ。たしかにおいしいな。ボリュームがすごいけど。トロピカルフルーツ…………なんだっけ。自分で注文しておいて名前が長すぎて覚えられないわ」

「トロピカルフルーツダブルホイップマシマシスペシャルクレープだよ。アブラマシマシのラーメンがスイーツになったようなイメージだね」

 アブラマシマシとは別のベクトルでお腹に来るスイーツだ。これ何カロリーあるんだろうか。

「このクレープ、何カロリーあるんだろう」

「そういうのを気にする人は最初からこんなの喜んで食べないの」

「まあ買ってきたオレも大概だけどな」

「はい、二口目。ここもおいしいところだよ」

 ぱくりと食べる。結月とオレで交互にクレープを食べている。本当ならフォークをもう一本持ってくればいいだけなんだろうが、それは結月が許さないのだろう。

「おいしいところばかりオレに譲っていいのか? 自分が一番食べたいんじゃないのか」

「買ってきてくれた人に一番おいしいところを食べさせてあげるのは当たり前のことでしょ」

「当たり前なのか」


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