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思い出を手に取り(8)

「…………ボクは、なにをコメントしていいのか、わかりません…………」

「なにか、思うことはないか。どんな些細なことでもいいんだが」

「…………まず先に思ったのが、ボクは、恵まれた環境にいるのかと思い知らされました」

 そう言って、ニュースサイトのコメント欄を見せてきた。そこには、喧嘩腰でコメントするもの、知識をひけらかすもの、もはやコメント欄で喧嘩をしているもの。散々だ。

「…………ボクがお世話になっている周りは、こんなにも荒んでいないように見えます。そういう意味で、ボクは幸運だったのかと思いました」

「そうだな。こういうサイトのコメント欄に書き込むのは社会的に荒んでいる人間とか、世の中に不満があるとか、自分の不幸を他人のせいにしたいとか、

 そういうやつらばっかりが集まってくる場所だからやばくなるんだ。少なくともオレはそこまで荒んでいないし、結月もミトちゃんさんもいい人だから安心してくれ」

「…………ボクが落ちてくるときの映像を見ました。もちろん遠くからなのでボクの姿が映ったりはしていませんが…………こうやって降ってきたのかなと思いました」

「時期と場所を考えたら、たぶん鼈宮谷さんの出来事だと思うんだけどな。火球なんてそうそう見られるものじゃないから」

「…………ボクはそのときに意識がなかったので。確実に断言できるようなお話は持ち合わせていないのですが」

「澪ちゃん。澪ちゃんにどう見えているかわからないけど、あたしたちは澪ちゃんを変な大人たちから守ってあげたいと思ってる。だからこういう変なコメントに過剰に反応しないようにね」

 おお、Tmitter歴n年目のお言葉だ。面構えが違う。

「…………大丈夫ですよ。ボクは、こういうコメントに過敏になったりしません。それよりも…………」

「も?」

「…………気をつけてほしいのは、おふたりのほうですよ」

「え? あたしたち? なんで?」

「…………もっと、本質的なことを見てください」

「うん…………?」

「…………火球を見たとか、宇宙人の存在の有無とか、ニュースのコメントなどではない…………もっと本質的なことを見るべきです」

「なんだろう…………?」

 オレも結月も、お互いに顔を見合わせてしまっていた。なにかいけないことでもあったのだろうか。

「…………わからないのであれば、言うしかありませんね。どうして、今になって…………この映像が出てきたかというところです」

「あ…………!」


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