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思い出を手に取り(6)

「お前が?」

「ひっぱたくよアンタ…………違う。例のアレだよ、アレ」

 そう言って、スマホを差し出してきた。

「うん? Tmitterの動画? どれどれ…………『火球か? 目撃情報相次ぐ』…………えっ、今更?」

 7月に千葉県、東京都、神奈川県で火球が目撃されていたそうだ。たしかにオレたちが見たもので間違いはないだろう。しかし…………。

「これ、いつの記事?」

「昼過ぎぐらいかなあ。澪ちゃんとお昼ごはんを食べ終わって、一息ついていたときにこのニュースを見たんだけど」

 おかしい。オレが調べたときはこの火球を目撃していた人はほとんどいなかった。SNSでの検索しかしていなかったのがいけなかったのかもしれないが、

 これを映像に収めたツミートはひとつしか見当たらなかった。そのツミートの映像ではないし、マスコミが撮影していたのだろうか。

「オレ、昨日Tmitterで検索したんだがそれを目撃していた人はほとんどいなかったぞ」

「そうなの? じゃあなんで今さらこれがバズってるの? しかも取り上げているのは大手ニュースサイトだよ?」

「誰かがマスコミにその映像を持ち込んで記事にしてもらったとか? それにしてはタイミングが遅い気がするな」

 世間一般の常識がどうか知らないが、少なくともオレだったら目撃した直後にマスコミに持ち込むと思う。それがどうして1ヶ月以上経った今になって…………。

「火球が目撃されたこと自体は別にいいんだよ。それ自体はあたしたちに関係…………なくはないけど、影響は少ないから。問題はこっちだよ、こっち」

 関連記事を見てみると…………。

「おいおい、これは…………まずくねえか」

 『宇宙人が地球に襲来した? 火球が地表に届いた可能性』というタイトルの記事があった。

「これがあったから、直接その場を目撃したあたしは黙っていようと思ったの。第一発見者となったら、とてもめんどくさいことになると思うから」

「おお、結月よ、お前も成長したな。黙るという行為はいいことだ。トラブルが自分に降りかかるのを避ける効果があるからな」

「あは。そう言ってもらえるとうれしいけど」

「記事の更新時間は火球の記事とほぼ同じだな、つまり今日出た話題というわけか」

 火球を目撃したと思われる人物のインタビューが掲載されていた。

『その時千葉の某海岸で流れ星を見てましたが、偶然にも巨大火球を見ました!! 雲一つなかったので、一部始終めっちゃきれいに見えました!

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