■第30話 「和真+クラスメイト連携」
――守る側は、もう一人じゃない。
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「……決めた」
放課後の教室。
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菅原和真が言った。
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「俺、動く」
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「……何を」
神谷伊織。
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「お前のこと、守る側に回る」
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静かな宣言だった。
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「神保亘、相葉正佳、二宮真匡にも話した」
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後ろで3人が頷く。
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「マジで巻き込まれてるけどな」
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「もう他人事じゃねぇし」
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相葉が笑う。
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「ここまで来たら、逃げても意味ない」
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二宮が短く言う。
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さらに。
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百瀬晴海。
三森祥子。
遠藤千夏。
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「私たちも」
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「できることする」
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百瀬が言う。
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「噂止めるのは無理でも」
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「空気は変えられる」
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三森が続ける。
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「舞衣さん、ちゃんと見てる人いるって伝えたい」
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遠藤が小さく頷く。
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教室の空気は、変わっていた。
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“疑う側”と“守る側”。
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線が引かれていく。
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一方その夜。
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白瀬家。
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「……伊織」
神谷紫苑が言う。
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「少し時間いい?」
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「……ああ」
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リビング。
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白瀬舞衣もそこにいた。
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「……揃ってるわね」
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紫苑が静かに座る。
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「これから話すことは重要よ」
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空気が変わる。
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「まず」
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「事実の整理」
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「あなたたちは――義理の姉弟」
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舞衣と伊織が顔を見合わせる。
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「……うん」
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伊織が答える。
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「でも」
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紫苑が続ける。
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「外に出す情報はそこまで」
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「“夫婦であること”は絶対に伏せる」
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――核心。
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「……それって」
舞衣が言う。
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「はい」
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紫苑は即答する。
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「世間に出すのは“家族関係のみ”」
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「恋愛・婚姻関係は一切非公開」
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「理由は?」
伊織。
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「簡単」
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紫苑は言う。
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「“そこを出した瞬間、全てが壊れるから”」
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沈黙。
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「記者は必ずそこを掘る」
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「芸能界もそこを利用する」
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「だから」
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「“見せる情報”と“隠す真実”を分ける」
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舞衣が小さく息を吐く。
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「……ややこしいね」
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「それが芸能界」
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その時。
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「でも」
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伊織が言う。
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「それで守れるならいい」
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紫苑が少しだけ目を細める。
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「いい答えね」
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一方。
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同じ夜。
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事務所会議室。
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白瀬文隆。
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「明日、公表する」
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陣川千夜子。
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「内容は?」
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「義理の親子関係のみ」
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紫苑の案と一致。
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「恋愛の部分は?」
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「触れない」
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沈黙。
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「……それで通すのね」
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「通す」
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その裏で。
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東繭子。
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「へえ」
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記事を見ながら笑う。
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「“そこだけ隠す”」
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「一番怪しいパターンじゃない」
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林輝久。
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「掘りますか?」
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「もちろん」
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東が即答する。
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「“隠した部分”が真実よ」
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一方。
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水瀬蒼葵。
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「……また厄介になるね」
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西宮七瀬。
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「でもさ」
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「守るって決めたんでしょ?」
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蒼葵は少し笑う。
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「うん」
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「だからやる」
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そして――
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翌日へ向かう夜。
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すべての陣営が動く準備を終えた。
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記者。
芸能界。
事務所。
学校。
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そして家族。
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“公表の日”。
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世界が変わる日が、近づいていた。
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