■第17話 「選択――それでも、隣にいたいから」
――静まり返っていた。
⸻
旧校舎の教室。
全員がいる。
蒼葵、七瀬、弥生、柚莉愛、和真。
そして――
俺と、舞衣。
⸻
「……時間ないよ」
弥生が言う。
「ネットは待ってくれない」
現実。
⸻
「……」
誰も否定できない。
⸻
「ねえ舞衣」
柚莉愛が静かに言う。
「本気で聞く」
その目は、もう“友達”じゃない。
同じ世界の人間としての目。
⸻
「あなた」
一歩前へ。
「どっち選ぶの?」
⸻
「……」
舞衣は答えない。
⸻
「守る?」
柚莉愛が続ける。
「それとも」
⸻
「切る?」
⸻
――残酷な二択。
⸻
「……伊織」
舞衣が小さく呼ぶ。
⸻
「……なんだ」
⸻
「もし」
少しだけ視線を逸らす。
「ここで終わるって言ったら」
⸻
「……」
⸻
「どうする?」
⸻
――試されている。
⸻
「……嫌だ」
即答だった。
⸻
「……」
舞衣が目を見開く。
⸻
「終わらせない」
はっきり言う。
「絶対に」
⸻
「……」
⸻
「守る」
一歩前へ。
「全部」
⸻
「……本気?」
弥生が聞く。
⸻
「本気だよ」
迷いはなかった。
⸻
「……ふふ」
弥生が笑う。
「いいわね」
⸻
「でも」
その目が鋭くなる。
⸻
「その覚悟、どこまで持つの?」
⸻
「……」
⸻
「芸能界、なめない方がいい」
⸻
「分かってる」
即答。
⸻
「ならいい」
興味深そうに見る。
⸻
「……ねえ舞衣」
今度は七瀬。
⸻
「本当にそれでいいの?」
⸻
「……」
⸻
「その人のせいで」
一歩近づく。
⸻
「全部失うかもしれないよ?」
⸻
――痛い言葉。
⸻
「……」
舞衣は少しだけ俯く。
⸻
でも。
⸻
「……それでも」
顔を上げる。
⸻
「隣にいたい」
⸻
その一言。
⸻
空気が変わる。
⸻
「……はあ」
七瀬がため息をつく。
⸻
「完全に負けたわ」
小さく笑う。
⸻
「そこまで言われたら」
肩をすくめる。
⸻
「さすがに奪えない」
⸻
――撤退。
ただし完全ではない。
⸻
「でも」
指を立てる。
⸻
「諦めたわけじゃないから」
⸻
宣言だけ残す。
⸻
「……」
⸻
「……伊織」
次に蒼葵。
⸻
「……何」
⸻
「……バカ」
小さく言う。
⸻
「……」
⸻
「でも」
少しだけ笑う。
⸻
「嫌いじゃない」
⸻
その言葉は――
完全な否定ではなかった。
⸻
「……無茶すんなよ」
⸻
「……」
⸻
「壊れたら終わりなんだから」
⸻
それは、心配だった。
⸻
「……ああ」
⸻
そして。
⸻
「……俺も覚悟決めるわ」
和真が前に出る。
⸻
「……」
⸻
「この件」
全員を見る。
⸻
「絶対外に出すな」
⸻
強い声。
⸻
「もし誰かが漏らしたら」
一歩踏み出す。
⸻
「俺が止める」
⸻
「……」
⸻
「親友の問題だからな」
⸻
完全に味方。
⸻
「……ありがとな」
⸻
「礼はいい」
軽く手を振る。
⸻
「その代わり」
⸻
「絶対守れよ」
⸻
「……ああ」
⸻
そして。
⸻
「……で」
弥生が言う。
⸻
「問題は“外”よ」
⸻
現実に引き戻される。
⸻
「写真」
スマホを見せる。
⸻
「これ、もう止まらない」
⸻
「……」
⸻
「対処しないと」
⸻
「終わる」
⸻
――次の戦場。
⸻
「……どうする」
俺が聞く。
⸻
舞衣は少し考えて、
⸻
「……私が動く」
⸻
「……何する気だ」
⸻
「仕事として処理する」
⸻
――芸能界のやり方。
⸻
「……」
⸻
「でも」
一歩近づく。
⸻
「あなたは離れないで」
⸻
「……」
⸻
「絶対」
⸻
「……分かってる」
⸻
その言葉で。
⸻
決まった。
⸻
守ることを選んだ。
⸻
逃げないことを選んだ。
⸻
たとえ――
すべてを敵に回しても。
⸻
物語は、ここからが本番。
⸻
秘密はもう、隠すものじゃない。
⸻
――戦うものになった。
⸻
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——
ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!
その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。
読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。
「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!
皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。




