表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/53

■第14話 「共闘――幼馴染と美少女が手を組んだ日」


 ――最悪の展開。


 そう思ったのは、


「ちょっといい?」


 蒼葵と七瀬に同時に呼ばれた瞬間だった。



「……なんで二人一緒なんだよ」


「決まってるでしょ」


 蒼葵が言う。


「利害が一致したから」


「は?」



「神谷くんの秘密」


 七瀬が続ける。


「暴きたいの、私たち」


 ――終わった。



 昼休み。


 屋上。


 逃げ場なし。



「……で?」


「で、じゃない」


 蒼葵が腕を組む。


「今日は“答え”もらうから」


「……何の」


「全部」


 即答。



「ねえ神谷くん」


 七瀬が近づく。


「もうさ」


「……」


「嘘つくのやめなよ」


 真っ直ぐな目。



「……嘘なんて」


「ついてる」


 蒼葵が遮る。


「バレバレ」


「……」



「ねえ」


 蒼葵がスマホを出す。


「これ、覚えてる?」


 画面。


 ――あの写真。


 距離が近い、俺と舞衣。



「……それが何だよ」


「これだけじゃない」


 七瀬が言う。


「昨日のあの女優」


「……」


「明らかに関係者だったよね」



「さらに」


 蒼葵が続ける。


「今日」


「……」


「白瀬さん、あの人たち見て“反応した”」


 完全に観察されてる。



「結論」


 一歩前へ。


「ただのクラスメイトじゃない」


 ――確定。



「……」


 言い返せない。



「で?」


 七瀬が距離を詰める。


「何?」


「……」


「恋人?」


 ドクン、と心臓が鳴る。



「……違う」


「じゃあ何?」


 さらに詰める。


「答えて」



「……」


 言えない。


 絶対に。



「ねえ蒼葵」


 七瀬が言う。


「やっぱり“直接いく”?」


「そうだね」


 即同意。


「白瀬さん呼ぶ?」


「やめろ!」


 思わず叫ぶ。



「ほら」


 蒼葵が言う。


「やっぱり関係あるじゃん」


「……」


「ねえ伊織」


 声が少しだけ柔らかくなる。


「なんで隠すの?」


「……」


「私たちに言えない理由?」


 ――その通り。



「……守りたいからだよ」


 思わず出た言葉。



「……え?」


 二人が止まる。



「……何を」


 蒼葵が聞く。


「……」


 言いすぎた。



「誰を」


 七瀬が詰める。


 完全に核心。



「……」


 沈黙。


 それが答えになる。



「……そっか」


 七瀬が小さく笑う。


「やっぱりあの人なんだ」


 確信。



「……ねえ」


 七瀬が言う。


「じゃあさ」


 一歩、さらに近づく。


「奪ったらどうなるの?」


「……は?」


「神谷くんを」


 まっすぐ見る。


「私が本気で奪ったら」


 ――空気が凍る。



「……やめろ」


「なんで?」


「……」


「だってさ」


 笑う。


「それで崩れるなら、その程度でしょ?」


 挑発。



「……っ」


 言い返せない。



「七瀬」


 蒼葵が止める。


「それは違う」


「え?」


「壊したいわけじゃない」


 蒼葵は俺を見る。


「知りたいだけ」


 ――真逆のスタンス。



「ねえ伊織」


 一歩近づく。


「最後に聞く」


「……」


「私に隠し続ける?」


 その言葉が、一番重い。



「……」


 答えは決まっている。



「……隠す」


 はっきり言う。



「……そっか」


 蒼葵の目が、少しだけ揺れる。



「じゃあ」


 顔を上げる。


「私もやり方変える」


「……?」


「証拠、集める」


 ――完全に捜査モード。



「私も」


 七瀬が言う。


「遠慮しない」


 にやっと笑う。


「全力で奪う」


 ――宣戦布告、再び。



「……」


 完全に終わってる。



 その時。


「……楽しそうだね」


 聞き覚えのある声。


 振り向く。



 城之内弥生。


 そしてその隣に――


 清水柚莉愛。



「……また来たのかよ」


「観察中だから」


「面白いしね」


 完全に観客。



「ねえ舞衣」


 柚莉愛が言う。


 ――後ろ。



 いつの間にか。


 白瀬舞衣が立っていた。



「……」


 無言。


 でも。


 その目は――


 明らかに“怒っている”。



「ねえ」


 七瀬が一歩前に出る。


「ちょうどいいじゃん」


 笑う。


「直接聞く?」


 ――最悪の提案。



「……やめて」


 舞衣が小さく言う。



「なんで?」


「……」


「言えないんでしょ?」


 完全に詰める。



「……」


 沈黙。



 その瞬間。


 舞衣が――


 一歩前に出た。



 俺の隣に立つ。



「……関係あるよ」


 小さく言った。



「……え?」


 全員が止まる。



 空気が凍る。



「……でも」


 続ける。


「言えない」


 その一言。



 ――ギリギリで止めた。



「……何それ」


 七瀬が笑う。


「余計気になるじゃん」



「ねえ」


 蒼葵が言う。


「それってさ」


「……」


「もう“認めてる”よね?」



「……」


 否定できない。



 完全に。


 追い詰められていた。



 蒼葵は“暴く側”に回り、


 七瀬は“奪う側”に回る。


 弥生と柚莉愛は“見抜く側”。



 そして舞衣は――


 “守る側”。



 四面楚歌どころじゃない。



 ――完全包囲。



 秘密は、もう崩れる寸前だった。




最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ