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定年間近の左遷先が冒険者ギルドなんだが!?  作者: Jiru-man


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冒険でやんす! その1

挿絵(By みてみん)






■ 冒険でやんす!


タクちん、めっちゃ張り切ってるな。

おどおどしてた頃が懐かしいくらい、もう完全に慣れたろ。


「早く行くでやんす!」

「タク殿、そんなに急いでは疲れますよ」

「僕もっとのんびりがいいなー」


まあ、抑えられないんだろうな。

あんな話し聞いたらな。


━━ いやー、今日も朝からドタバタだったんだわ


朝からみんなを起こしまくるタクちん。

ギャンギャン吠えるタクちんに、俺らは導かれる羊かよって感じ。


あっという間に朝飯食って、ハルアットのところへ早行って。


エサキス──紙の材料ね。

それが採れる場所が、エトル山ってとこらしい。


王都から馬車で二時間。

そこからは“見つかるまで山の中を数日彷徨う”コース。


特徴的な樹皮で、真っ白に丸い斑点模様。

ただ、群生はしてないから、探すのは骨が折れるらしい。


さらにエトル山には、過去の遺跡もあるとか。


「うひょー、遺跡。ロマンでやんす!」


そりゃタクちんがノリノリになるわけだ。

とりあえず、こちらのお金もないのでどうするか?って話してたら、ハルアットが“最初の餞別じゃ”ってことで、携行品など全部準備してくれた。


ほんと助かった。


「最初だけじゃぞ?今後はちゃんとクエストこなして、自分達で稼ぐんじゃ」

「ほんと、冒険者でやんすな!」

「僕もがんばるー」

「ハルアット様、地図など、所望しても?」


いやー、タエちゃんしっかり者だー。

リーダー助かるよ。


「うむ、地図といっても、持ち運びはキツくてのぉ。木の板じゃから」

「ノンノン、ハルっち、小生がサラリと模写するでやんす」


おま、ハルっちって……いちおう大賢者だからな。


「ハルっち?なんじゃ、ワシのことか?まあよいわ、これからも長い付き合いじゃしな」

「コピー用紙何枚か持って来て正解でやんす!」


━━ サラサラっと、王都周辺の地図を模写する。


相変わらず、こういうのは頼もしいな。


「おっと、そのカミィは、人に見せぬ様にの」

「そうだぞ、タクちん気をつけろよ?」


こんなの見せたら、そりゃ大騒ぎになるわな。


━━ そんな具合で、馬車→エトル山手前の寂れた村→エトル山への道中って状況


「しかし、あの村は何もなかったでやんす」

「僕お肉探したけどなかったー」

「タク殿も葉山殿も、遠足じゃありません」


うんうん、タエちゃんいなかったら、ほんとどうなってたんだろうな。

想像するとゾッとする。


エトル山、思ったより高いな。

あと三十分くらい歩けば入口か?


今回、何日こっちにいるかわからないからなぁ。


「しかし、タク殿さすがですね。掃除報告の事」

「全くなぁ、ほんとそういうの得意だな」

「うん、にゃんにゃん!」


葉山は……うん、よくわからん。


「あんなの簡単でやんす!四人分の毎日開始、完了の写真を作るでやんす。それをOSのタスクスケジューラで、金曜日夕方にスクリプト起動してでやんすね、スクリプトをバチっとでやんすね…」

「タク殿、わかりました。上手く行ってるなら大丈夫!」


タエちゃんも、タクちんの扱いマスターだな。

ほんと頼れるわ。


「僕も大丈夫にゃんー」


葉山は……うん、ほっとこう。


■ エトル山入口


━━ そんな会話をしていると、石碑が現れた


エトル山道と読める。

山頂って、少し雲かかってるな。

登山とかやったことないが、険しそうなのは見てわかる。


挿絵(By みてみん)


「多分これキツイぞ。みんなしっかりな」

「イェッス!行くでやんす」

「タク殿、和田殿、頑張りましょう!」


タエちゃんポジティブやなぁ。


「え、僕山登り嫌いー。タエにゃんおんぶー」


さっきまで、はしゃいどったやん。


「さ、葉山殿、行きますよ!」


タエちゃんはスルースキルを覚えた!

とはいえ、これはかなりキツイ登山になりそうだ。


━━ ガサガサッ


なんだ?しばらく順調にきてたがな。


「なんでやんす?」

「初の魔物か!?レッドボアじゃないか?」


━━ ドドドドッ


めっちゃ早いやん?

デカいし!?


「ここは私が!」


うは、流石剛腕。

あっさり受け止めるやん。


「ファイヤアローでやんす!」


── ゴォォォッ!


レッドボアの腹に命中!

ドテッと倒れ込む。


「僕、この肉の焼ける匂い、大好きだにゃん!」

「葉山、こいつ美味いらしいぞ」

「丁度良いですね。お昼にしましょう!」


タエちゃん、ホント有能。

手際いいなぁ、イノシシの化け物が、速攻で焼肉できそう。


「葉山っち!小生に感謝するでやんす!」

「タクにゃん、よくやったー」


なんか緊張感ないなぁ。

まあ、ハードモードよりはいいけどな。


━━ その後、ジャイアンバット、ゴブリンなどエンカウトしたのだが…


いやいや、タエちゃんとタクちんいれば、問題なくない?

イージーモード過ぎる。


とは言え、エサキスの気配は1ミリもないけどな。

歩いても歩いても、見つからない・・・

これの繰り返しだ。


■ 簡易ハウス


「暗くなってきたでやんす」

「そだな、この辺で休むとするか」

「なら、小生の出番でやんす」


━━ ゴゴゴゴゴゴゴゴォッ


タクちんの周り、土が盛り上がって来た!

うは、壁になって行くやん!

あっという間に四角い簡易ハウス。


「わーい、僕一番ねー」


葉山…好き放題だな。


「おお、タク殿!素晴らしい!」

「で、やんしょう??」


どれどれ、俺も…

なかなか広いな。四人でも全然行ける。

なんか、暖炉まであるの快適だな。


いやー、野宿覚悟してたが、タクちんこっそり練習してたらしい。


「明日なんだが、このまま山頂目指すんじゃなくて、ぐるっと横に回る事にする」

「そうでしたね、ハルアット様も中腹辺りが最も見つかると仰られてました」

「うん、だから今日はご飯食べたらよく休んで、朝早くから探索だな」


そういえば、お昼のレッドボアの残り、まだあったよな。


「タエちゃん、悪いけど晩御飯の支度お願いできる?」

「お昼のレッドボアの残りでシチュー、あとは狩に出てなにか捕まえますか?」

「僕、お肉ならなんでもいいよー」


なんか葉山、完全お子ちゃまじゃないか。


「タエちゃん、とくに足りてるなら、レッドボアで」

「了解です」


ん、さっきから、タクちんなにやってんだ?


「…でやんすから、…でやんすな。うーん」

「タクちんはなにブツブツ言ってんだ?」

「これを見るでやんす」


あ、この前の、アポーツ?だったか?

実験した旗だな。


「旗だな??」

「これ、あれから実験してるでやんす」

「どんな?」

「こっちと倉庫の部屋で、戻す、取り出すを繰り返してるでやんす」


なるほど、でブツブツ言ってたのね。


「何かわかった?」

「わからないでやんす」

「え、どういう事?」

「あー、つまり、世界間を跨ぐんで、欠損とかあるかと思ったでやんすが…」

「見た目も変わらずって事か?」


ふーむ、あとは生き物で実験する感じ?


「でもこれ、かなり高性能でやんす」

「あー、なら僕ギルドで待ってて、必要な時に呼んでくれたら良かったにゃん」

「ハエ男、いやハエ娘なっても、知らないぞ」


どこまで怠惰なんだよ。


「ハエ娘にゃ?」

「あー、ハエ男の恐怖?だっけか、昔そういう映画あったんだよ」


といってもかなり古い作品だがな。


「1958年の小説『蝿』を映画化したSF作品でやんす…物質電送機の実験で、ハエが紛れ込んでいて、ハエと融合してしまう。ハエ男になるでやんす…」

「タクちん、またこれ長くなる?」

「和田っちが始めたんでしょーがー」


しかし、たくちん、色んなものに首突っ込んでるな。


とはいえアポーツはかなり使えるよな、人も行けそうだ。

ただやっぱり、ハエ男にはなりたくないよな。


「皆様、シチューできました!」

「わーい、お肉♪お肉♪」

「いただきますでやんす」

「タエちゃん、ほんと助かるよ。ありがと」


━━ そして、葉山とタクちんの、おかわり争奪戦勃発


葉山も、タクちんも食い過ぎだわ。

二人とも、腹がすごい事なってんな。

てか、葉山寝てるし、いびきかいてんじゃん。


「僕、まだお肉食べられ…ムニャ」


どんだけ食うつもりなんだ?

さて、明日に備えて、俺も寝ますかね。


■ 翌朝


「皆んな、起きるでやんす!」

「んー、僕もう少し寝たいー」

「さ、葉山殿も、用意しましょう」


タエちゃんが、完全にお母さんキャラだな。

さて、今日はどうなることやら・・・


━━ 出だしこそ元気だったものの、素材探しは難航を極める


「もう僕歩けないよー」

「流石に疲れたでやんすな」

「そろそろお昼にしますか」


午前出発から歩き通しだった。

ここらで休憩が必要だな。


「あの鹿みたいなの、凄かったでやんす」

「ああ、マッドディアーな。ワンパクな鹿さんだな」

「指輪の力凄いでやんす。名前もわかるでやんすね」


━━ 少し前に遡る…マッドディアーとの戦闘の件だ


いやぁ、今軽口叩けるが、三途の川見えたよな。うん。


ドドドドって、映画でしか聞いたことないような、スケール壮大な地響きがきたわけ。


まず、先頭のマッドデイアー、以下鹿さんね。が、現れて、タクちんが足元を固めて拘束からの、タエちゃん剛腕で首根っこ抑えてトドメ。


この連携、凄えと感心する暇もなく、次々と飛び出てくる鹿さん。


ん?俺の右手…熱帯びて来たような…

流石に覚悟したよね。


と、思ったら、葉山がさやってくれましたよ。


「うわー、鹿さんだー、僕よりめちゃくちゃ大きいね」

「こら、葉山、下がれって…」


その後は、ワンパクな鹿さんが、奈良公園の鹿さんに変わってた。


「やめてよー、僕、くすぐったいって」


鹿さんが群がって、葉山をペロペロ祭り絶賛開催中。


挿絵(By みてみん)


「いやー、これ凄すぎでやんす」

「葉山殿、これ全部テイムしてますね」


三十四、五匹ってところか。

こんなたくさん一気にテイムできるもんなの?

まあ、助かるな。


「あー、葉山さんや、鹿さんたちと仲良くなってるなら、お家に帰るように説得してくれ」

「うんー、もうちょっとペロペロしたら、帰るって」


うん、ならいいか。

そんなこんなで、最初の一匹は仕留めてるから、それだけ食糧にすることに。


━━ その鹿さんを、タエちゃんが調理中


「タク殿、葉山殿、たくさんありますけど、もう食べ過ぎないで!和田殿も召し上がってください」

「タエちゃん、ホントありがとう」


「お腹すいたでやんす!タエ様いただきますでやんす」

「わーい、鹿さんのお肉♪僕初めてだー」


いやー、ほんと胃袋直撃する、いい匂いだわ。


「いただきます!」


いや、なにこれ、柔らかい!

臭みもないし。


「ウマ杉晋作でやんす!」

「僕もおかわりー、いくらでも食べられるにゃー」


おいおい、さっき食べ過ぎるなって言われたろ。


「えー、食いながら聞いてくれ、この山広すぎるし、エサキス見つかんないし、かなり苦戦だな」

「そうですね、ここまて無いとは。和田殿の指輪の、知識でどうにかならないですか?」

「んー、特にエサキスの情報、降りてこんのよね」


そうなんだよ。来る時は、当然知ってます!的にわかるんだけどさ。


「ちょっと、何か見落としてるかもだから、一旦明日は同じルート戻る」

「二度手間でやんすね…」

「まあな、でも、実物みてないからな。確認しとかないと」


しかし、戦闘のほうは、まったく心配いらないな。

このメンバーなら、俺何もしなくても余裕だもん。


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