左遷先は冒険者ギルドだったわけだ!? その4
■ ギルド訓練場
「ギルド訓練場へようこそ!」
うは、なんか筋肉お化け来た。
片目眼帯って、厨二病か?
「ふはは、眼帯がそんなに珍しいか?」
「かっこいいでやんす!」
「ガハハ、お主はあっちだ」
女子職員か、なんか道具持ってるし、魔法の訓練か?
俺以外はそっちに連れてかれる?
…て、ことは?
「ガハハ、ワシはバストール。ハルアットとは腐れ縁でのぅ。この目のおかげで、元レジェンドランクも教官ってわけだ」
「え、大賢者さんの仲間?」
「ふはは、そうよ!世界中ブイブイ言わせておったわ」
ブイブイな、今どき聞かねえよな。
「お主、職業がわからんのだろ?しかも、興味深いスキム持ちときた、なら、ワシが見極める必要があるというもの」
「は、はぁ…」
ヤバくね?
俺、何されるの?
「ぼやっとしとらんで、行くぞい!」
「うわっ!」
拳が…
かすっただけ?
うそだろ?ソニックムーブ出てね?
風圧で顔の肉もってかれた!?
「ぶはは、まだまだ!どうした、あの世に行くのか?」
いや、あんたが、逝かそうとしてるよな?
転がる、ダッシュする、手で防御する。
もうこれ限界来てるな。
腕がパンパンに腫れてきてる。
バストールのおっさん、絶対遊んでるだろ。
「ちょろちょろと、小賢しいな。反撃してみせろ!」
っと、言われましても。
逃げるので精いっぱいだよ。
「安心せえ、回復魔法使えるもんが待機しておる。安らかに眠れっ!?」
やべ、この一撃!
怖えぇ!
目閉じちまった!
「小僧、やるではないか…」
え、俺の拳、このオッサンの腹にめり込んでるのか?
ガチムチの腹だぜ?
バストール拳が軽く顔に触れてる!?
いつの間に?記憶にないんだが、俺の拳がおっさんの腹に・・・?
あれ、俺も…気が…
── 意識が朦朧として、そして気絶した。
■ スキル発動!?
うわーっ!
「目を覚ましたでやんす!」
「和田殿、心配した…」
「僕もびっくりだにゃん!」
え、みんな?
そっか、オッサンにトドメ刺されそうになったんだっけ。
「ぶははははは!小僧、お主何者じゃ。この世界で、ワシをぶっ飛ばすヤツがおるとはな!」
「いやー、覚えてなくて」
「和田っち、寝たままパンチ出てやんした!」
え、マジ?
「ぶはははは、お主もたいがいじゃのう。タイミングは確実なはずじゃった、じゃが腹にもらったのはワシのほうよ…」
なるほど。
しかし、風圧だけで気絶したのか?
「全く記憶がないんだが、途方もない疲労感に襲われた、そんな感じだったな」
「和田殿、なにか右手が光ってましたよ」
「なるほど、どうやら"英雄の右手"の力ですかな」
ギルマスか、いつの間に来たんだ、びっくりしたぞ。
「俺の危機で発動するって事か?」
「いかがでしょうか。それもあるとは思いますが、定かではありますまい」
「そんな都合のいいものではないね、あ、でもあの時手が熱かったような気がする」
「極度の疲労はスキル発動の産物と考えれば、辻褄が合うというもの」
あの時、本当にヤバいと思っただけだしなぁ。
「いずれにしろ、これからも定期的に当ギルドへお越しください。いやはや、ハルアット様の召喚者とは、これほどなのですね」
━━ それから、俺が気絶していた間の話を要約する
まず、俺とバストールは医務室へ運び込まれ、その間に訓練再開しておこうとなった。
タクちんは、戦闘よりはやはり魔法での攻撃を覚えようってことで、適正の火、土、水の練習で、なんと中級までの魔法を覚えたらしい。
タエちゃんは、ギルド職員と手合わせするも、いともあっさりと勝利。元シルバークラスの冒険者だったらしいが…
それから、タエちゃんの神聖魔法は、初級の回復と、祝福を覚えたとの事。祝福は簡単な浄化で解毒などもできるらしい。タエちゃんの重要性が爆上がりだ!
問題の葉山だが、テイムを試したいのだが、アルミラージュというウサギのような魔物?しかギルドにストックがないらしく、それのみでテイムの練習をしたらしい。
「うわー、ウサギちゃん!僕好き!」
「いや、葉山殿、いきなり撫でては、あぶないでやんす!」
「え、かわいいよ?ほら?僕にこんなに懐いてる」
葉山は特に何もするでもなく、瞬間的にテイムできていたとの事。
「本当にあなた方は、皆様規格外ですよ」
「ははは、ギルマスさん、まだウチらも何も知らない事ばかりなので…」
「必ず、定期的に当ギルドに、お越しくださいね」
いやー、色々あったんだなぁ…
って、もう暗いぞ?何時なんだ??
「ギルマスさん、ウチら一旦帰らないとなんで。みんなも、いくぞ」
━━ 倉庫掃除してないんだった!急いで戻らないと
「ほほほ、ずいぶん暴れたらしいの」
大賢者さん、ご機嫌だな。
紙の期待かね?
しかしなんだ、まだ、右手が熱い様な感覚がたまーに出てくるのな。
「まあ、ウチらもまだよくわかってないけど、なんとか冒険できそうだよ」
「うむ、そうでなくては困る。ところでな、お主バストールを寝かせたらしいの」
「らしいな、記憶ないだけどさ」
「バストールは、間違いなく世界でも五本の指に入る戦士じゃ」
まじか、まあ風圧で顔変形しそうだったし。
筋肉お化けだし、そうなんだろうな。
「ところで、大賢者さんのパーティってほかのメンバーは?」
「うむ、あと二人おったの。勇者のユウノシン、ビショップのラーリニア 。ここにはおらんがの」
「そうなのか、でもユウノシンって、俺らの国の名前っぽいような?」
「まあ、いつか機会があれば話してやろう」
なんだか、あまり聞いてはまずいことだったのか?
てか、ユウノシン?日本人だよな? でも、大賢者さんの目が曇ってる気がする。
まあ、今は聞かないほうがいいんだろうな。
「そうじゃ、お主ら忘れてはおらんか?」
ん?なんだっけ?
「あ、ギルド登録証!もらってないでやんす!」
「確かに。俺気絶してたしな」
「うむ、ギルドからこちらに届いておる」
おおぉ!これって銅板だな。
なんか格好いいかも。
「なんかゴージャスでやんす!」
「えー、僕もっと可愛いのがいいよー」
「冒険者に相応しいものかと」
まあ、みんなも、気に入ってるな。
約一名除いて。
「あー、ダメダメ、早く戻らないと。掃除してないんだぞ」
「もう少し遊びたいでやんす!」
「ねえねえ、僕またお肉食べたーい」
「タク殿、葉山殿、また今度です」
いや、タエちゃん大人でホント助かる。
「大賢者さん、次は紙の材料探しにくるから、待っててくれ」
「もちろんじゃ、早くカミィが見たいもんじゃ!」
みんなを急かせて、扉に触れた!
━━ ストン、歴代倉庫前。
んー、どれくらい時間経ったんだろ?
あ、スマホどうしたっけ?
「十六時過ぎでやんすね」
「思ったより、時間経ってないのな」
タエちゃん、サムズアップ。
帰って来たら喋らないのな。
「…ぼ、僕帰る…」
葉山は、誰?って感じだなぁ。
なんでこう、正反対になるんだろうな?
でもなんだろ、それだけでもないような気がするな。
「こらこら、帰るとか、掃除してねえんだぞ?」
「ノンノン、和田っち。昨日の写真をそれとなく改竄するでやんす!」
タクちん、こう言う事は頼もしいな。
ただ、ちょっと罪悪感が・・・
「改ざんって・・・」
「いいでやんすか、昨日の写真をチョッビー読み込ませて・・・」
なんかまた始まりそうな予感。
「あー、タクちん、それ長くなるやつ? 説明いいから、頼む」
「仕方ない、AIでチョチョイのチョイでやんす!」
「助かる、頼むわ!」
「和田っち、明日も早く起きて行くでやんすよ!」
うーん、この状況って・・・
俺らの左遷先って、こりゃ冒険者ギルドだったんだよな。
「はははは、なんかウケるな」
「なにがそんない可笑しいでやんす?」
「なんでもない、また明日な」
なんだろう? やっぱり右手が熱いような・・・
右手だけ、身体の一部じゃないみたいな感覚が残ってるんだ。
━━ 訓練もしたし、これで俺らも冒険者としてスタートだ!




