左遷先は冒険者ギルドだったわけだ!? その3
■ 判明したスキル
「じゃあ、こちら書きましたので、お願いします」
書類、いや、木の板を渡す。
「では、ソトヤマアさん、こちらに触れてください」
え、水晶かなんか想像してたけど。
なんだろ、ちょっと不気味な卵って感じ?
薄緑で、木星みたいな模様。
「わかったでやんす」
見通す物に触れた…緑の卵…線が出て来てない?
うわ、カッと見開いた!なにこれ、瞳だよな。
殻の中で何か蠢いて
「え、うえ、なにこれ 。こっち見んなでやんす!」
タクちん睨まれてるな。
そして、瞳が閉じて、カッパーの板がコトリと落ちた。
「ソトヤーマ、タクロ様でよろしいのですか?」
「そとやま、たくろう、でやんす」
「申し訳ございません、発音が難しくて」
「タクちんでいいでやんす」
━━ そんな感じで、主要なとこ要約する
名前 ソトヤマ タクロウ 性別 男
年齢 十八歳 職業 造形魔術師
魔法適正 火、土、水 スキル エクスアポーツ
「エクスアポーツってなんでやんす?」
「なんと、アポーツというのは知っておりますが、エクス?見た事ありませんね」
なんか、とんでもないやつか?
しかし十八歳かぁ、子供っぽいよな。
「アポーツもかなり珍しいですが、これは遠くの物を取り寄せたり、送ったりできるスキルとなります」
「なるほどでやんすな。じゃあ、エクスアポーツ!」
どうなるんだ?
タクちん、手に旗あるぞ!?
「これ、小生の部屋のジオラマに刺してた旗でやんす!ほんとに取れたでやんす!」
「マジか、確かにそれ見たわ。私物持ってくるなよ」
「和田っち!小生の部屋に入ったでやんすか!」
「ん、ああ、そうね、どうだっけ?」
「しかし、タクちんさまは、規格外の能力だと思います。造形魔術師はほんとうに貴重です。それに加えて、未知のアポーツとは、いやはや長年ギルドにおりますが、驚きですよ」
ギルマスもビビってるみたいだな。
「では続きまして、ハヤアマ レイ様」
「はいはーい!僕も、やります!」
「では、こちらに手を」
「僕も、行くよー!」
なんだ?この卵、今震えた?
まあでも、さっきと同じだな。とはいえ、全然慣れない。
「和田にゃん、これ気持ち悪いー」
━━ 葉山の内容も要約しておく
名前 ハヤマ レイ 性別 女
年齢 二十歳 職業 ■■テイマー
魔法適正 精霊、幻獣、魔物 スキル ■■■
「おや、これはまた・・・」
「ギルマスさん、僕のやつおかしいよ」
「おそらくこれは、解放されていないということでしょう。何等かの条件や経験があって、職業もスキルも解放されるはずです」
「やったー、僕テイマーなんだ。動物さん捕まえられるんだよね」
「ハヤアマ様は、定期的にギルドで確認をお勧めします。職業とスキルがいつ解放されるかわかりませんので。これはギルド記録に残る事案です」
「しかし、精霊、幻獣までのテイムとは、これまた規格外ですな」
まあ、葉山らしいって感じだな。
「では、マスヤアマ様。お願いします」
「心得ました」
「こちらにお手をどうぞ」
━━ タエちゃんの能力はどうかな?
名前 マスヤマ タエ 性別 女
年齢 二十六歳 職業 ビショップ
魔法適正 神聖 スキル 剛腕
「マスヤアマ様は、剛腕をお持ちですな。素晴らしい。女性ではあまり見かけないスキルです。あと、神聖属性もお持ちですので、回復系など習得できるでしょう」
「ビショップで剛腕なのかよ」
「タエ様の力は本物でやんす!」
「和田殿、力仕事はお任せください」
タエちゃんほんと逞しいよな。
「では、ワダア様、お願いします」
「よし、いきますか」
「ではこちらにお手を」
え、小刻みにタマゴが震えてるぞ。
なんだ? まあ、あとは変わらずだな。
ほんと、こっち見てるな。
━━ さて何がでるのか?
名前 ワダ キミオ 性別 男
年齢 二十七歳 職業 ■■■
魔法適正 ■■■ スキル 唯一無二・英雄の右手
「ワダア様も、職業と魔法適正がわかりませんね。おそらく今後の冒険でいつか解放されるでしょう」
「そっか、仕方ないな。でもスキルが二つあるね」
「はい、スキルは複数発現する場合もあります。しかし、唯一無二、英雄の右手とは、このようなスキルは今まで見たことがない。本当に…前例がないのです」
「というと?」
「どのようなスキルか、本当にわかりませんが、恐らくワダア様は、どの世界においても唯一の存在なのでしょう。それに英雄の右手も意味深です」
まあ、英雄ってガラではないけどな。
よくわからない結果だったが。
定期的に調べてもらうしかないか。
「では、ギルド登録証を作成しましょう。出来上がるまで、その他の事をご説明します」
━━ ギルマスから、この大陸の事を聞いた
「小生、地理は苦手でやんす」
「僕は、どこでもいくよー」
「私もあまり、国政や地理というのは…」
こらこら、人任せ過ぎるだろ。
仕方ない、ここはリーダーである俺が…
━━ そうだ、これ造形魔法で作ってもらおう
「タクちん、今から教えてもらった内容をわかりやすく伝えるから、魔法で木の板に地図描けない?」
「やってみるでやんす」
じゃあ、頼むぞ!
この世界は、グウォール大陸といって、ざっくり六カ国からなる世界ってことらしい。
• 俺らの国は弱い(イストリア)
• 北は商業国家キレスジレド
• 西は砂漠の傭兵国家サウドレシグ
• そのさらに西が軍事大国ウェスガルガン
• 北西は宗教国家アフテンスラット
• 北は技術国家(ロークス連邦)
タクちんの手から稲妻のような光が走る。
少し焦げ臭いが、焼き目が綺麗な線になっている。
「できたでやんす」
「おお、いいね!」
「いやはや、素晴らしい出来栄えですね。ギルドにも飾りたいくらいです」
ギルマスも目を見張る出来栄えらしい。
「国同士行き来は問題あるのかな?」
「はい、ウェスガルガンの一部、他国との交通を制限してる箇所があります。それ以外は問題ありません」
なるほど。やっぱ、軍事国家は注意だな。
てか、なんで俺だけこんな勉強してるだよ。
「あとは、ランクアップについてでしょうか?」
「冒険者のランクって事でやんすね?」
「はい、まずは皆様ブロンズを目指されますので、そちらからですと…」
「和田にゃん、よーく聞いておいてね。僕わかんないからー」
「和田殿、面目ない…」
━━ というわけで、ギルマスの説明要約と復習ね
まず、カッパーからブロンズは、五十件の依頼で三十五件の達成が必要。
そのうち、ウチらのドタキャンがない事が条件となる。
あと、職業のクラスアップは二種類あるらしい。
特定の条件と、特定のアイテムでのクラスアップ。
それから、何らかの措置が必要となった時。これは王より特別に認められた、などの際は、国庫より特別なアイテム下賜でランクアップするそうな。
これってほんと、RPGの世界だよな。
「あとは、これは非常に稀だと思いますが、ダンジョンの一定以上のボスなどがドロップするアイテムも、ランクアップできるものがあるとか」
「和田にゃん、それ僕は取りに行きたいー」
いやぁ、そんな簡単じゃないだろ。
「ありがとう。まずやる事が明確になった」
「いえいえ、何かあればいつでもお立ち寄りください」
俺も葉山も、職業判明してしてないから、また来ないとだよな。
「あ、お待ちください。皆さんにとても大事なお話しが」
「まだなにか?」
「これから先、魔物との戦闘は避けられません。まだ未経験ですよね?」
「小生、お腹痛くなってきたでやんす」
「みんなまったくの素人です!」
「はい、そのようなことかと思いましたので、ギルドの訓練場をお使いくだい」
確かに、今外に出てもマトモに闘える気がしねえ。
「それは助かる!」
「ハルアット様からも、戦闘訓練は絶対にやって頂くよう、仰せつかっております」
「小生頭も痛くなってきたでやんす」
「それではご案内しましょう、あの者について行ってください」
さあて、冒険者っぽくなってきたー
こんな日がくるなんてな。胸が熱い。




