表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
定年間近の左遷先が冒険者ギルドなんだが!?  作者: Jiru-man


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/11

ここはどこ?あなたは誰!?

挿絵(By みてみん)





■ 闇の回廊


── キィィィン、キィィィン。


もう何分経った?

だいぶ歩いた気がするわ。


闇がさ、手で掴めるんじゃないかってくらい濃いんだよ。

渦巻いてるのが見えるわけじゃないのに、“そこにある”って分かる。


── キィィィン、キィィィン。


音の感覚が変わったんだよな。

外で聞いてたのとは違う。

なんて言えばいいんだ……一定方向に吸い込まれていく感じ。

今はその流れに身を任せて進んでる。


……あれ、前のほう、少し光ってないか?

おっしゃ、走ってみるか。


うん、やっぱり光が大きくなってる。


運動不足だかんな。きついわ。

はあ、はあ……まじキツい。


── キィィィン、キィィィン、カツ、カツ、カツ。


ん?なんか変な音混じってないか?

……あれ、扉だわ。隙間から光が漏れてる。


どこだ?手で探って……

お、あった。


── ガチャリ。


うわ、眩しすぎる。

ドア開いたけど、なんも見えねぇ。


■ 大賢者の部屋


「オホウァ、ンォポヘノサヂン」


ん?ここはどこ?それに誰よ?

チッ、目がぼやけて……何言ってんだ?人だよな?


ようやく目が慣れてきた。

しかし、なんだこりゃ。所狭しと木の板だらけ。

それにこの臭い……薬品か?


ちょっとまて、ありゃなんだ!?

……ちっさいドラゴン?

いや、生きてるよな。瞬きしてるし、さっき顔掻いてたよな?


「アウレ、アウレ」


なんだ?何言ってんだ?

老婆が指輪持ってるじゃん。赤い石のゴツいやつ。


「ハムレス」


指にはめたと思ったら、今度は俺に差し出してくる。

ハムレス?そればっか繰り返してるし。

……これ、俺に指輪しろってことか?


ええい、埒があかねぇ。

分かったよ、つけりゃいいんだろ。


「ふふふ、闇の回廊は暗かったかえ?」

「婆さん?」


挿絵(By みてみん)


うわ、なんだ、強烈な衝撃。

鼻血出てないだろうな?

なんか百倍速で映像見せられた感じ。

情報が一気にきたな。


「失礼な。まあお主よりかは大分生きておるがの」


あ、言葉わかるじゃん。なんだ急に。

いや、なんとなくわかってるだろ?


■ 大賢者ハルアット


「ここはどこなんだ?で、あんたは誰なんだ? あー、それからなんで言葉変わった? え! ドラゴンだろ、あれドラゴンだよな?」


うん、多分これもわかる。

でも、認めたくないって気持ちが強いんだ。


「気持ちはわかるがな。まあ落ち着くがよい。一つずつ答えようかの」

「まず一つ目。ここは王都ルアルバーン。わしの部屋じゃ」


王都?

いや、日本に王都なんてねぇよな。


「二つ目。わしはハルアット。大賢者と呼ばれとる」


大賢者?

いやいや、そんなRPGみたいな肩書きあるかよ。


「三つ目。その指輪よ。お主のものじゃ。転がってきた」


俺の?

いや、こんなゴツいわけ……ないだろ。


「四つ目。あれはドラゴンじゃ。使い魔に向いている小さい種族のな」


ドラゴンですとも、みたいな当然の口調だなこの人。


■ 情報過多の和田


え、つまりどういうことだ?

王都?大賢者?指輪?ドラゴン?

全部つながらん。


……なのにだ。

どれも“嘘だ”って思えない。

むしろ、理解してる。

当然だと思ってる。


なんのこっちゃ!


「混乱しておるな。まあ無理もなかろう。その指輪は大賢者召喚に呼応しおってな」

「ちょい待った!その前にこの指輪、俺のなのか? 全然こんな指輪じゃなかったぞ」


見れば見るほどゴツい。

まあ、人によってはゴージャスと言うかもしれんが。


「わしの施した召喚の儀が、その指輪を変異させておる。この世界の理を主は瞬時に悟ったはずじゃ」

「まあガツンと来たけどさ、“全部わかってます”なんて言えない状況でもあるな」


「いずれわかるじゃろう。赤子が母を求めるように、主も必要なときに必要なものを自然と理解する」


■ 世界の理と若返り

「ルアルバーンって……イストリア王国のことなのか?……なんで俺こんなの知ってるんだ」


知るわけないのに、考えた瞬間わかった。

気持ち悪い。


「ふむ、おぬし筋は悪くないな。そうやって自分に聞いたらええんじゃ」

「あー、それで、召喚の儀とやらは、なんなんだ?」


「この世界には六つの国がある。イストリアもその一つじゃ」

「なるほどな。それで理解できてしまった。つまり、弱小国だから大逆転したいってわけな」


少しヒントをもらうと、芋づる式に出てくる。

なんかちょっと気持ちよくなってきたかも。


「ほほほ、お主慣れが早いの。うむ、イストリアはわ しがおるで、なんとかやっておるわい」

「で、何をさせたいんだよ?」


「うむ、わしも若くないでの。なんとかするには時間もない。そこで、卵が欲しけりゃ鶏がいるわけじゃ」

「俺は鶏ってわけね」


大丈夫か?俺めちゃくちゃ強いわけでもないし。

そんな頭いいわけでもないだろ?


「お主、察しが良くてたすかるのぉ」


■ 鏡の中の“若い俺”


「ちょっと、にわかに信じられん部分もまだあるんだがな」

「まあ、すぐには難しかろう」


「ちょっとさ、ドラゴン、近くで見てもいいか?」

「好きにしたらいい。噛みついたりせんのでな」


うひょ、これがドラゴン。

うーむ、小さいからか、トカゲっぽい?ワニっぽい?

コウモリみたいな羽だなぁ。


ん?あれ???嘘だろう?


ドラゴンが止まってる後ろに鏡があるんだ。

そこに映ってるのって……!?


「なあ、大賢者さんよ、これって俺なのか?」

「そうじゃな。お主しかおるまい」


「いや、こんな若くないだろう?」

「なるほど、そういうことか。良いか? この世界とお主の世界、時の流れが違うのじゃよ」


それはそうらしいな。俺の知識もそう言っている。

でも、それってだから?って感じなんだが。


「こちらの時間は遅い。だからお前さんは過去の自分を見ておる」

「そんなことって……」


いやいや、タイムスリップしてんの?

どういうこと?


■ 一時帰還


「まあ、すぐには理解できんじゃろう。いったん戻ってゆっくり考えたらどうじゃ?」


確かにな。ちょっと眩暈するわ。


「わーった、ちょっくら戻るわ。あ、そういえばさ、ここにさっとこれないの? 暗闇がだるいんだよな」

「お主、わかっておろう?その指輪があれば、もうすぐじゃよ」


なんとなく、答えわかったかも。

何これ、超便利。


「じゃあいったん戻って、また来るよ」

「うむ、待っておるでな」


よし、本当にできるのか?

こうやってドアに触れれば……


── ストンと着地。歴代倉庫の扉前。


■ 現実へ


「どこ行ってたでやんす!お昼待っていたでやんす」

「悪い、ちょっと色々あってな」


「脱走したかと思ったでやんす」

「ははは、ちょっと異世界までな」


しかし、あれってどういう?

指輪、若返った俺、ドラゴン、大賢者……頭パンクするって。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ