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定年間近の左遷先が冒険者ギルドなんだが!?  作者: Jiru-man


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11/12

王都帰還が激し過ぎなんだが!?

挿絵(By みてみん)





◼️ 翌朝・温泉遺跡の外


「いいでやんすか?」

「頼むから、あの世にだけは送るなよ?」


こういう時ってさ、走馬灯っての?

見えるんだよな?

目を閉じて…いや、そんなもん見えんぞ。


実験もやったし、大丈夫…なのか?


━━ ここで、少し遡る


「和田っち、これ使うでやんす」

「ん?どういうこと?」


レッドボアを仕留めたけど、これのことか?


「まだ息があるでやんすね。だから…」

「タク殿、つまり、それでアポーツの実験をすると?」


なるほど。そういう事か。


「美味しく頂く前に、あと少し頑張ってもらうでやんす」

「ちょっと可哀想だな」


「痛みも何も無いでやんすよ…」


選択の余地はないな。


「わかった、こいつには悪いがやってみよう」

「じゃあ、ここから、あそこ葉山殿のところまで。三メートルってとこでやんす」


「はいはーい、僕ここだよー」


ほんと、悩みと無縁だよな。


「では、いくでやんす!」


微かに振動してるのか?

なんだろ、レッドボアの周り少し歪んで見える。


━━ シュッ


「わー、きたきた、どうかな?」


息は弱いな、だが、特段異常も無さそうだ。

手も足も、身体も、見た目問題ない。


「成功でやんす!?」

「よーし、実績が増えたな。飯食って本番と行きますか」


━━ というわけで、本番を迎えている


まあな、俺だって役に立たないとな。


「えーん、和田にゃんがどこか行ったら、僕、僕…」

「葉山…」

「僕…えー、んー、なんだっけ?」


おーい、ちょっといい所だったろ?

しんみり気分返せ!


「和田殿、無理せずともいのですよ?いったん大賢者殿に相談しても…」

「いや、結局そうやってると、これから先も大賢者さんや、他に頼る事になる。これは今やるべきだと俺は思う」


格好つけたい、そんな気持ちもあるのか?

いや、俺だけ置いてけぼり。

そんな風に思ってたからな。


俺だって、やってやるさ。


「OK!やってくれ。ギルドまで頼む」

「ふう、ならいくでやんすよ!」


落ち着け。

やっぱり、緊張してるのか!?


ん?…身体中が振動してるみたいだ。

陽炎?

周囲が揺らめいてる…


大丈夫…くっ、やっぱ心臓が高鳴る。


━━ シュッ


◼️ ギルド練習場


なんだろ、頭をガンガン振られたみたいだ。

目眩が…


「おぉぉぉぉ、なんだこりゃ!」


おいおい、拳のデカさに、心臓止まりそうだよ。

バストールのオッサンか。


挿絵(By みてみん)


「ガハハハ、お主何か、よほど殴られたいらしいの。ワシで無ければ、寸止めとはいかんぞ?」

「いやいや、殴られ趣味はないって」


ここは、練習場だな。

誰もいないと思ってたが。


「ちょうど鍛錬中でな。良かったな、剣だの槍だのでなくて」

「全くだ。今頃ほんとにあの世行ってただろうな」

「で? 何用じゃ? ま、ロンギスタンの部屋に行こうか」


このオッサンは、余計な事言わないから助かる。


━━ 今の状況、エサキスの運搬について話す和田


「なるほど、今まであの木を使うなど、無かったですので、このような事態になるとは…」


ロンギスタン、丁寧だが、ほんと怖いぞ。

目が合ったら、背筋に寒気がする。


「そこで、お願いがあって。向こうからアポーツでエサキスこっちに送りたいんだよな」


「なるほど。そういう事でしたか」

「動かせるってのは、確認済みなんだ」


危なくない所に送らないとな。


「ロンギスタン、いち早く手配するのじゃ!」


え?ハルアット??

なんでわかったんだ?全部見えてるのか?


「見つけたんじゃな?」

「ああ、多分ある程度の紙は作れる量だと思う。ロンギスタン、練習場に運ばせてくれ」

「うむ、ロンギスタン、こやつの言うとおりに」

「ハルアット様、承知致しました」


はあ、これでなんとかなったな。


「じゃあ、俺疲れたんで、少し寝かせてくれ」

「うむ、早うカミィを頼むぞ!」


てか、かなり自己中なんじゃ…?

ひとまず、腕時計とかスマホなんてないからな。

夕日が落ちる時、再度タクちんが呼んでくれる。


向こうのエサキスをこっち送ったら、最後に俺を向こうに取り寄せて…


俺、宅急便のお届け物だな。


いやー、しかしなぁ、気疲れってやつ?

ベッド案内してもらって良かった。


しかし、行ったり来たり、忙し過ぎだろう。

また戻るんだよな・・・

さすがに疲れたぞ・・・


━━ 和田は倒れこんだ


◼️ 再び温泉遺跡の外


「和田っち!」

「和田殿!」

「和田にゃん、起きないと、顔に落書きだよー」


ん?

ここはどこだ?…葉山?


「葉山、それなんだ?」

「もう、僕がすーごく、可愛くしようと思ったのにな」


いや、それ炭だろ?可愛くならないよな!?


「全部送ったでやんす!」

「あー、お疲れ様」

「和田殿、特に異常はないみたい。良かった」


なんだろな?

こいつらの顔見たら、落ち着いた。


「あの数、全部送るのはホントに鬼畜でやんす!」

「和田にゃん、ほんとにタクにゃんが死にそうだったよー。僕さ、ほんとウケるー」


いや、葉山サイコパスかな?


「和田殿、行ったり来たりで大変ですが、動けますか?」

「そうだな、エサキスも届けたし、帰ろうか」


タクちんと葉山がギャーギャー言ってる。

でもなんだろ、これはこれで落ち着くな。


━━ さあ、帰ろう!王都へ!


せっせと山を降り、麓の村まだ来た。

馬車が来るまで、まだしばらくあるようだ。


「和田殿、温泉遺跡って、なんだったのでしょう?」

「俺ら日本人って温泉、やっぱり楽しみだよな」


「僕も温泉大好きー」

「温泉嫌いって人は、あまりいないでやんす」


まあ、それが答えなんだろうな。


「つまり、日本人がその昔いたってことだよな。さらには燃料や発電があるって事は…」

「同じように、召喚されたって事でやんす?」


そう考えるほうが自然な気はするな。


「まあ、わからん事だらけだが、大賢者さんはが何か知ってるかもな?」


この遺跡、まだなんか隠されてる。

そんな気がしてならない。


◼️ 王都への帰還


━━ ビクッとして起きた。


いかんいかん、馬車でまたウトウトしてた!


「寝ちまったな、どの辺なんだ?」

「運転手さんに聞いたら、そろそろ着くって言ってたよー」


運転手さんって、タクシーかよ。

ふぁーと、アクビも出る。


━━ ドドドドドドッ


ん? なんの音なんだ?


「こら、じっとしないと、僕が怒られちゃう!」

「葉山、どうした?」


葉山のカバンの中、チューチュー言ってる。


「チュー吉がね、怖いって」

「葉山、それワーラットか?」

「うん、もう僕の相棒だよ❤️」


いつのまに連れてきてるんだ?

チュー吉って、安易過ぎんか?


「で、どうした?」

「魔物が来てるって、チュー吉言ってる」

「この音か?」


━━ ギィィィィッ


うわ、馬車が止まった。

もの凄い音だ!


「ひいぃ、もうおしまいだ…」


地面が震えて、砂塵がもうもうだ!?

御者が泣き喚いてる。


「なんだって!」

「和田っち、外にサイみたいのが、わんさかいるでやんす!」


なんだ? マッドライノってやつみたいだな。

とんでもなく、恐ろしい数じゃないか?


挿絵(By みてみん)


「和田殿、幸い馬車からは逸れてるみたいですが、これ王都に向かってるかと…」

「やばいな…」


こんな数だ、王都の門とか耐えられるのか?

まあ、王都の門だしな…


「えーい、やるしかないか!タクちん、俺と葉山を門の方にアポーツしてくれ!」


「えー、僕怖いよ」

「大丈夫だ。俺が守る。タエちゃんは、周りの人とタクちん守ってくれ!」

「心得た。和田殿もご武運を!」


「じゃ、いくでやんすよ!?」


マッドライノの怒涛の足音で、何も聞こえん!

葉山がまだ何か言ってるな。

そして、周りが振動する!


━━ シュッ!


瞬間的に門の前に出た!

しかし、クラクラするなぁ。


あぶね、先頭のマッドライノが、もうすぐ先まできてる。

ギリギリだったな。


「俺が葉山守るから、テイムで大人しくさせてくれ」

「わ、わかったよー」


魔法の射程範囲狭いのか?

ある程度まで来ないとダメか?


━━ ドスッ


くっ、角が刺さったぞ。


「葉山、頼むぞ…」

「僕だって、やってるよー」


━━ ドスッ


なんてこった、この数は流石に…


「ガハハ、小僧、またえらくど突かれておるな」

「バストール!」


バストールが数匹吹き飛ばした!?


「ガハハ、生ぬるいわ!」


さすがにレジェンドランク。

木っ端微塵って、この事なんだな。


━━ グハッ


「ヤベェ、どこ刺さったんだ?血が…」


胸の奥にどす黒い痛みと熱さが走る。呼吸ができない!


「わ、和田にゃん!」

「葉山、バストールに続け、どんどんテイムして帰ってもらえ…それから…」


「ようやった!ワシも加勢するでな」


ハルアットか!

土壁みたいなもんが、競り上がってきて…

てか、普通に帰還させてくれよ。激し過ぎなんだが…

王都帰還って、命懸けなんだっけ?


━━ そこで意識が飛んだ


◼️ 蠢く影


「マッドライノはどうなっておる?」

「は、まもなく王都到着かと」


満足そうに頷く気配がするが、薄暗い部屋ではよくわからなかった。


「それより、あの数ではすぐに制圧されるかと。他に手を入れますか?」

「いや、よい、今回は揺さぶりだ。ハルアットがまた小細工しておるらしいからな」


「なるほど、では様子だけ後から報告書させます」

「うむ、頼む。少し出かける」


━━ 男はふらっと立ち上がり、外へ出ていった。


しかし、暗い。窓という窓には木が打ち付けられ、すべての陽光が遮られている。


「ハルアットめ…何を企んでおるかしらんが、必ず潰してくれるわ」


忌々しげに男が吐き捨てる。

黒い不気味なオーラが、男に従う下僕のように付き従った。


挿絵(By みてみん)


「せいぜい、今を楽しめよ。ハルアット、今後貴様に盛大に踊ってもらわねばな」


━━ ハハハハッ、ハハハハハ・・・


漆黒の暗闇に、乾いた笑い声が吸い込まれて行った。


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