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魔法と闇と絶望と  作者: 凛莉
第二章 ~崩れ~
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第26話 2度目の人生の終わり


ふと、あることに気が付いた


「背が、縮んでる?」


割れた鏡の破片で今の姿を確かめてみた


今の僕の姿は昔と同じ白い髪に、青色の目だった


背も5歳くらいに縮んでいた・・というよりも今、5歳なのだろう


そして服は、ボロボロで、とても質素な物だった


体は痩せこけていた


何日もろくな食事がもらえていなかったようだ



コツン


音をしたほうに振り向くと、小石が投げられていた


そして聞こえた、今の僕よりも少し大きい少年達の声



「この!当たれ!」

「もっと投げてやろうぜぇ!!」


「うわー!バケモノに襲われるー!!」


「「アハハハハハ!!」」


「「「バーケモノ、バーケモノ!!」」」



3人の少年は笑いながらどこかへ去ってしまった



「・・・・」

やはりこう、仲間はずれというものは辛いものだ



今度は30代くらいの女性の声が聞こえた


「また・・がそこで小石を・・ていたらしいわよ」

「まぁ、また? でも・・は食事も・・らしいわよ」

「そうなのよね、で・・贄に死なれちゃ・・るわ」


少し遠いので所々にしか聞こえない


「でもあの白い・・と・・い目!・・は、化物・・ね」

「そ・・ねぇ・・っぱりあれは・・かしいわ・・ね」


白い、・・い目 多分白い髪、青い目の僕だろう


この世界でも化物なんだ・・




僕はこの薄暗い世界で生きていけるのだろうか?




そう思っていると、窓から小さなパンが落ちてきた


「・・!」

少しでも食べなければ生きる事は出来ない


だから僕は必死にそのパンを食べた



パンが落ちてこなくなると、軽い足音が遠くへ消えていったのが分かった


そしてその時、聞こえた一言に



「う・・・うぅっ・・あっ・・」

僕は涙が止まらなかった




──また明日、あげるね



僕と同じくらいの少女がパンを千切って、投げてくれたのだ



「僕は・・生きてもいいのかな?」

ボロボロ溢れた涙はまだ、止まらない


僕は涙を拭いた




「僕は本当に化物なのかな・・?」


最後にそう呟いた




寝ようと思って冷たい床に寝転んだとき、見知らぬ記憶が甦った





「生け贄の儀は・・1週間後・・・」


多分この記憶は・・この体の本当の持ち主の物だろう


しかしもう、すぐそこまで近づいているのか




「もうすぐ死ぬというのに、気楽だな・・僕は」


ふふ・・と笑いそのまま冷たい床で寝た

















トントン・・・トン


「・・?」

朝、不思議な音で目を覚ました


「・・誰?」


そう言うと音が止んだ イタズラだろうか?



そう思った瞬間、窓からパンが落ちてきた


「ありがとう」


そう言ったら何故かパンの量が増えた気がした









その次の日も、そのまた次の日も、パンは投げられた



そして、その次の日





「いつも、ありがとう」


最初の日は冷めていたが、最近は焼きたてのパンになっていた



いつもの量が大体終わったときぐらいだろうか?



「お前何をしている?」

「あ・・」


「まさかあの化物にパンをやっていたのか!?」


「だ・・だって、食事も与えられていないのに、生きていける訳ないじゃない!」


「だからといって我等の食事を与えるな!あの贄には牛の餌で十分だ!!」

「でも!」


「五月蝿い!お前はもう森に行け!」

「いや、いや!そこは危険でしょ!? やめて!!放してっ!」



「うるせぇ!このガキ!」

「キャッ!」


「行くぞ!」

「いやぁっ!!」




そのまま足音と声は遠のいていき、聞こえなくなった



「・・・そんな」


僕には意味が分からなかった


何故、僕に味方してくれたのか


何故、僕に味方するだけで、危険な場所へ行かせられるのか


何故、僕は贄なのか


何故、僕はココに居るのか



そもそも僕は・・・・




誰なんだ?














その後の3日間は、ただ暴言と石が投げられてくる、悲痛なものだった


僕はただ人形のように、座っただけで、動かなかった


動く意味も無いから







そして今僕は広場にいる


広場には人がたくさん居る



僕はその真ん中の台の上に居る

両手は後ろで縛られている



紙くずやゴミ、石を投げられ、当たる


傷や痣が出来たり、血が出たりする



「さっさと死ね!!」

「この化物!!」


暴言も吐かれる



仮面とローブで身を包んだ、大きい剣を持った男が2人、僕の横にいる


その男の片方が、ヒソりと話をする


「こいつにパンを上げていたガキ、食われて死んだってよ」


もう片方はそれを聞いて


「自業自得だろう」

そう素っ気無く答えた




その言葉に僕はナニカが切れた





虚ろで、半分しか開いていなかった目が完全に見開かれた


その時、僕の横に居た男が後ろへ吹っ飛んだ


『!?』


周りがザワめく



この感じは・・


ふと後ろ・・背中の方を見てみる


するとあの時と同じように黒い翼があった


「・・・」

ぐるりと周りを見回す



少女を連れて行ったであろう男に指を指した


その男は突然体が爆発して死んだ


「な・・なんだあれは!?」


「神様が怒っていらっしゃるわ! あんな化物寄越したから!」


「五月蝿い、キエロ」


何が神様だ


・・でも僕も破壊神、神様かな



「Aeternam solitudinem《永遠の孤独》」


「キャアアアア!!」


「ママー!」

「助けて!おかあさ・・」


「イヴィ!!」


悲鳴が飛び交う


悲鳴を上げていた人々が皆赤い液を流しながら倒れていく



「ふふっ もう終わりなの?」




───マタヒトリニナッテシマッタ・・・



「こ・・このバケモノォォッ!!」


バン、バン




心臓を撃ち抜かれた







・・・・・・・・・・ように見えた




「神に対してなんたる無礼 礼儀、なってないね」


「ヒィッ!!」






す・・と最後の男に指を向けた





───モウヤメテ・・・ダレカタスケテ・・モウイヤダ



「ギ、ギャアアアアア!!」


また男は、バクハツして死んだ







「言い忘れてた、僕は神でも、破壊神だからね ふふふっ」






そう言い切ったと同時に、僕の身体は動かなくなった



そしてそのまま、倒れた








もう、この(・・)身体は動く事は無いだろう





僕は何も考えず、抗う事もしないまま意識を闇に落とした

こう、残酷なやり方思いつかないです・・



もうちょっと暗くしたいんだけどなぁ・・




ちなみに少女の名は スピリア=ディスチェラ です





ある人と似ている名前です

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