子供部屋おじさん、ゴブリンと戦う
第三階層に降り、慎重に辺りを警戒しながら前へ進んだ。
左右に分かれた土の通路。
直感スキルが働き、右側からなんとなく嫌な気配を感じた。
「右に敵がいそうですね」
『わかるのか』
『探索スキル?』
『敵の位置がわかるんですか?』
「直感スキルですね」
『直感か』
『レアスキルやん』
『どおりで……』
コメント会話をしつつ、右へ曲がる。
そして通路の先に――3体のゴブリンが待ち構えていた。
120センチほどの身長。ほっそりとした体格。右手には金属の棍棒を持ち、腰に赤い布を巻いている。
「「「ごぶぅ!!!」」」
「いきなり3体……」
ゴブリンは基本的に、群れで行動する。
最低でも2体だ。
そして今回は3体。
先手必勝ということで、鈴木は炎魔法をまずは放つ。
魔法陣から飛び出た赤い炎の玉が、ゴブリンを焼いた。
火だるまになったゴブリンは悶え、床に転がる。
一撃。ゴブリン相手でも、鈴木の炎魔法は通用するようだ。
「「ごぶごぶっ!!!」」
ゴブリンが前へ飛び出し、棍棒を振るってくる。
鈴木は無理に反撃せず、直感スキルを活用し、攻撃を回避。
少しずつ後ろへ下がり、ゴブリンの動きを見た。
ホーンマウスのように突っ込むだけのものではない。
両者の動きに合わせて、交互に棍棒を振るってくる。
戦い方のレベルが上がってきている。厄介だ。
鈴木は棍棒を振るった。ゴブリンが棍棒を両手で持ち、ガードする。
ガァンっ!!! という音と共に、ゴブリンは仰け反り後ろから倒れた。
もう1体がリカバリーしようとするかのように、棍棒を振り下ろしてくる。
回避は間に合わないと判断し、棍棒で受け止めた。
「うっ……!」
どすん、と降ろされた棍棒により、両腕に重い衝撃が走る。
だが――そこまで重い一撃ではない、と思った。
「いける!」
鈴木は負けじと棍棒を振り切り、もう1体のゴブリンも倒す。
復帰したゴブリンがこちらへ突っ込んでくる。
だが、ガードしたとはいえ、一撃を貰ったからか――先ほどよりも、動きが悪い。
棍棒を横へフリ、ゴブリンの頭を叩く。
どさっ、とゴブリンは土床に叩きつけられ、立ち上がったもう1体のゴブリンの頭も棍棒で叩いた。
両者は共に床に倒れ、魔石となって消えていく。
3対1だけあって目まぐるしい内容であったが、明らかなステータス差があった。
『おお』
『ナイスぅ』
『ゴブリンもいけそうですね』
「はい。なんとかなりました」
しかしゴブリンは最大で、4体のチームを組む。
鈴木は魔石を回収しつつ、第二階層よりも難易度が上がっているのを、実感したのであった。




