子供部屋おじさん、レベル4へ
戦えば戦うほどに、直感スキルの恩恵を感じた。
現れたのは2体のホーンマウス。
その内の1体へ向けて、炎魔法を放つ。
「ぢゅうううう!?」
炎の玉がしっかりと命中し、焼け死んでいく。
どのくらい引きつけて、どのタイミングで、どの角度で放てばいいのか――そういったこと細かいことも、直感することが出来る。
名前は直感スキルとシンプルだが、その効果は戦闘センスの爆上げであった。
(うむ。これは助かる)
突っ込んでくる1体のホーンマウスを、小さく横飛びして回避。
すれ違いざまに、正面から棍棒を横払いに叩い込む。
ホーンマウスの首が曲がり、ぐぎり、という音と共に地面に転がっていった。
ふらふらした足取りで立ち上がろうとするのを、上から叩いてトドメを刺す。
(油断は禁物だが、第二階層もこの調子なら戦い抜けそうだ)
『動きのセンス良いですね』
『新人さんとは思えない』
『素人感薄い』
『魔法も近接もポテンシャル高い』
と、いつの間にか“2”になっていた接続数。
コメントもポツポツと書き込まれるようになった。
ただ、以前来たアカウントとは別の人であるようだ。
「ありがとうございます。もしよければ、ゆっくりしていってください」
余裕も出てきたおかげで、コメントと会話をこまめにしつつ、ホーンマウスを狩る。
そうして戦い続けて、長い時間が経過し18時。
これで最後にしようと思ったホーンマウスを狩ったちょうどその瞬間に、システムがレベルアップを告げた。
『――鈴木 亮太のレベルが4へ上昇しました。HP+8 MP+5 攻撃+5 防御+5 魔力+5 精神+6 俊敏+4』
鈴木 亮太 LV3→4
HP 28→36(+5)
MP 20→25(+3)
攻撃 18→23(+1)
防御 18→23(+1)
魔力 18→23(+1)
精神 21→27(+1)
俊敏 15→19(+1)
スキル 炎魔法LV1 回復魔法LV1 直感 超睡眠
(よし。着実に成長している。安全な狩り……良いじゃないか)
力が湧いたおかげで、さらなる狩りのペースアップへ。
ホーンマウスの討伐数は、126となった。
時刻は18時。
充実感と共に、強い疲労感を感じた。
広大なダンジョンを駆けめぐり、棍棒を振るい、重いリュックサックを背負っているのだ。
ステータス補正がなければ、40歳の体には厳しい労働である。
「今日はここまでにします。お疲れさまでした」
『おつ』
『落ち着いた感じは嫌いじゃない』
「そうですか。それは良かったです」
40歳おっさんが1人で狩りしているところなんて、なにが面白いんだろうと思いつつも、お礼は素直に口にした。




