子供部屋おじさん、日給が10万を超える
その後もスケルトンを順調に撃破していった。防護壁のおかげで魔法への対処が出来たので、慣れると案外倒すのに苦労はしない。コメントの言う通り、スケルトン自体はそれほど強いわけではないので、魔法さえなんとかできれば安定していた。
もちろん、当たりたくはない強力な攻撃なのには変わりないので、油断はできない相手であったが。
18時になる頃に、いつも通り配信を切り上げ、魔石を査定に出す。
討伐数は120体。魔石は1個1000円で、合計金額120000円。
手取りは108000円となった。
職員から明細表を受け取る。
(ついに日給10万円越えか……推定年収は2000万というところか? ううむ、まさかここまで来れるとは……)
命がけの仕事で、これが見合っているのかどうかというのはさておき、鈴木としては思ったより上手くいっていると感じていた。
なにせ5年間、子供部屋おじさんだったのだ。
しかも年齢は40歳。
正直、下手をすれば人生詰んでいた可能性もある。
それが高所得者になれたのだから、人生わからないものだ。
(探索者は人生最後の駆け込み寺だ、という言葉もあったようだが……なるほど、それも納得だ)
ステータス、スキルに恵まれればワンチャンあるのが探索者。
人生が詰みかけたら、一発逆転も狙える仕事なのは、間違いなかった。
☆
今週3日目の探索。新しい炎魔法を試していなかったことを思い出し、スケルトン1体の出現時に、フレイムウェーブを発動した。
炎の小さな波が発生し、スケルトンを吞み込んでいった。
一撃でその体を燃やし尽くし、呆気なく撃破していく。
あっという間に魔石へとスケルトンは変化し、威力が高いことを実感した。
剛力の取得もあって、どちらの方が火力が高いのかは微妙なところだ。
ステータス的にも攻撃、魔力共に高いので状況で撃ち分ける形だろう。
また、フレイムウェーブは消費MPが15と高くなっている。
剛力も消費が高いので、MP管理の難易度が高くなったところだろう。
「まあ、強力な攻撃手段が増えて嬉しい限りだ……ん?」
今回のスケルトンは魔石だけでなく、杖も落としていた。
金属製の杖で、先端には赤い宝石が輝いている。
スケルトンが稀に落とす、ドロップアイテムの杖だ。
そこそこ性能があるらしく、15万円で売れる。
『お、杖や』
『運が良い』
『スケルトンの杖、中々落ちないからな。ドロップ率マジで渋い』
『まあまあの値段で売れるぞ』
「そうですね。ラッキーです」
鈴木はスケルトンの杖を回収し、リュックのピッケルホルダーに引っかけた。




