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40歳子供部屋おじさん、社会復帰のためにダンジョンへ入る  作者: 音有五角


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子供部屋おじさん、炎魔法を試してみる

 帰宅すると夕食が出来上がっていた。

 味噌汁、白米、焼き魚、納豆、サラダとオーソドックスなメニュー。

 食事をとりながら、母親に探索者を始めたことを告げると、驚いた顔をされた。


「探索者って、あんた大丈夫なの?」


「うん。結構、ステータスが良いって、褒められた」


「そう……そのくらいの年でも始められるものなの?」


「意外と多いみたいだよ」


 専業じゃなくて副業だけど――というのは、言わなかった。

 不安な要素をわざわざ伝える必要はないと判断したからだ。


「無理しないようにね。元気に帰ってきてくれればいいのよ」


 そう言われて、鈴木はこくりと頷いた。

 早く心配されない、落ち着いた社会人になりたいと思った。



☆



 “超睡眠”の影響なのか、朝の目覚めが良かった。

 昨日の疲れがスッキリととれて、筋肉痛がない。

 そしてスキルが発動したのか、ステータスに若干の変化が起きていた。


 鈴木 亮太 LV1


 HP 12(+3)

 MP 10

 攻撃 8(+1)

 防御 8

 魔力 8

 精神 9

 俊敏 7


 スキル 炎魔法LV1 回復魔法LV1 超睡眠


 どうやら超睡眠は、基礎ステータス上昇の効果もあるようだ。


(おお……悪くない)


 コツコツと長く続ければ、本当に良いステータスを持つ探索者になれるのかもしれない。



☆



 この日も鈴木はダンジョンへと向かった。

 今日は朝の10時から、がっつり潜る予定だ。

 受付にライセンスを見せ、中へと入る。

 配信の接続数は“0”。

 鈴木はアプリで現在地を確認しつつ、通路を進んだ。

 やがて目の前に、昨日と同じスライムが現れる。

 鈴木は頭の中で“炎魔法”の発動を念じる。

 自然と、左腕が前へと伸びた。

 手の先が赤く光り、赤い魔法陣が展開。

 そこからスライムを覆いつくすほどの大きさの炎の玉が飛び出し、スライムを直撃した。


MP 7/10


 青いゼリーは炎に包まれ、やがて焼け死ぬ。

 自分がこんな恐ろしい炎を出したのか、と驚きを隠せなかった。

 魔法なので高威力なのは当たり前だが、いざ目の当たりにすると、自分が人間離れしたみたいで少し怖くなる。


「これが炎魔法か」


 今回はすんなり当たったが、思ったよりも自分で考えないといけないものだと思った。

 照準を合わせないといけないし、速度も思ったよりは早くない。

 中距離で放つのがちょうどいいくらいの攻撃だろうと、鈴木は考えた。

 そして消費MPは3。

 MPは5秒経過して1しか回復しないので、乱発は出来なそうだ。


(しかしこれだけの威力があるのは、心強い)


 棍棒が通じなかった時など、いざという時の切り札にもなるだろう。

 MPに余裕がある時は積極的に使い、練習しようと考えた。

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