↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40歳子供部屋おじさん、社会復帰のためにダンジョンへ入る  作者: 音有五角


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/47

子供部屋おじさん、サンダー・スネークと対決する

 鈴木は炎魔法を発動した。炎の玉はサンダー・スネークの首に命中し、苦悶の声と共に口を放し仰け反った。


「誰か救出を!」


 鈴木の言葉に、立ち上がった剣持ちの若き探索者が救出に向かう。


「お、俺がいきます」


 なんとか肩を貸す形で戦場の離脱を計る。

 しかしサンダー・スネークは順当に弱っている方から仕留めようと、その体を若き2人の探索者へと向けた。

 そこへすかさず、槍を持った海野がサンダー・スネークの背後から突きを入れる。

 ガキン、と硬い鱗は槍の穂を弾く。

 あまりダメージが入っている手応えがない。

 だが、気を引くことには見事成功した。

 サンダー・スネークはくるりと振り返り、海野目がけて首を伸ばし、噛みついた。

 海野はそれを横跳びで回避しつつ、隙をついては突きを放つ。

 ギリギリの攻防だ。長くはもたないだろう。


「くっ、すまない……!」


 鈴木はそう言いながら、もう一度炎魔法を放つ。

 2つの炎の玉が命中し、サンダー・スネークは悶えるも、まだ撃破には至らない。

 前に出たいところだが、サンダー・スネークは物理防御が高い。

 剛力のある鈴木でも、決定的なダメージが与えられる自信はなかった。


「っ」


 海野は額に汗を滲ませながら、サンダー・スネークの攻撃を回避。

 カウンターも入れつつ、巧妙にヒット&アウェイを繰り返す。

 3人であれば分散出来て、十分に安定して囮をすることが出来た。

 しかし1人の今、海野はギリギリの戦いをしいられている。

 互いのステータス差はあまりない。

 海野はタイミングよく、攻撃と回避をしているからなんとかなっているだけで、いつあの牙に捕まってもおかしくない。

 ズンっ! と、サンダー・スネークの横顔が、体のスレスレに横切った。


「これで、倒れてくれ!」


 鈴木は3回目の炎魔法を放つ。

 炎の玉はサンダー・スネークの顔に当たり、両目を焼いた。

 ジュアアア!!! と、延焼の音が生々しく辺りへ響く。


「シャァアアアアアアアアアアアアア!!!」


 サンダー・スネークは雄叫びを、ドスン! とその大きな体を倒した。

 顔が焼かれながら、びくん、びくん、と何回か痙攣した後、動きが止まる。

 そしてその体が、徐々に魔力となって消えていった。


「や、やった……」


 海野はその場で崩れ落ち、息を吐いた。

 ポーションによる手当ては終わったようだが、若手探索者2人は失意に満ちた表情を浮かべている。

 しかし鈴木としては、この場を乗り切れたことに、心底ホッとした。


(海野さんがいなかったら、一体どうなっていたんだ……)


 今度からこういう依頼を受ける時は、もっと人選などで文句をちゃんと言おうと思った。

 そもそも即興のチームで、適正レベルに対してそんなに余裕のない状態で挑むのが間違いだ。

 協会の段取りも適当すぎる。


(いや。むしろ、もうこういうのはやらなくていいかもしれない……)


 段取りから全て自分で完結する、ソロ活動が肌に合うと、身に染みた瞬間であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。