子供部屋おじさん、レアモンスターと遭遇する
サンダー・スネークは全長4メートルと大きく、ズルズルとダンジョン内を徘徊しているという。
名前の通り雷属性で、その牙には雷の魔力が宿っている。
「出来るだけ真正面を避けるようにして、牙に噛まれるのを注意していこう。常に動いて翻弄しつつ、強力な遠距離攻撃があれば理想だね。防御がかなり高いみたいだから」
鈴木の作戦に、斧持ちの探索者が口を開く。
「じゃあ、俺達3人で前衛をやって、リョータさんが炎魔法をやれば解決ですね」
「出来るかい?」
「楽勝ですよ。映像で見る限りそんなに動きは早くないし、レベル11で討伐してる。俺達はレベル14なので」
「そうか……高いんだな」
ちなみに海野はレベル17ならしい。
全員、鈴木よりも上であった。
(だが、本当にこの子達は作戦通りに動くだろうか。正面から、近距離攻撃で仕留めようとしなければいいが)
そんな不安を抱えつつ、話はまとまったので佐藤に報告。
一行は作業を続行することになった。
☆
第五階層はウォールライトの故障が多く、チューブの修理も多かった。
時間がかかっていく中、しかし移動はスムーズであった。
シタカエルの数が少ないのだ。
いよいよ、サンダー・スネークがいるだろうという話になった。
サンダー・スネークはシタカエルを食べるらしいのだ。
しかも丸呑みならしい。
「へへ、楽しみだな」
「ああ、暴れてやるぜ」
移動中。若手探索者達は興奮した様子で、そんな会話をしている。
少し前を行き過ぎているのが気になる。
一度痛い目に遭っているのに、ものすごいガッツだ。
そして――ついにその時が訪れる。
通路の先。左右の分かれ道。
そこにシタカエルが一体いた。
「げこぉ!?」
しかし右から現れた影によって、シタカエルの姿が消える。
黄色の鱗を持つ、巨大なヘビ――サンダー・スネークが、シタカエルを食ったのだ。
そして首を真っ直ぐにして、シタカエルをゴクリと飲み込む。
瞬間、若手探索者は前へと出た。
「よっしゃ、いくぞ!」
「おうよ!」
案の定、フライングで飛び出している。海野と連携はとっていない。
2人はステータス補正のかかった、早いスピードで駆け、サンダー・スネークとの距離を詰め――斧と剣を振り下ろした。
しかし。
ガギン!!! と鱗によってその攻撃が受け止められる。
傷は多少ついているが、まるで通用していない。
「かてぇ!?」
「怯むな!」
2人は再び得物を振ろうとするが、これはまずい。
鈴木は大声を上げた。
「早く引くんだ! 噛まれるぞ!」
「シャアアアアアア!!!」
サンダー・スネークは剣持ちの探索者へ向けて、頭突きを放つ。
「ぐほっ!?」
剣持ちの探索者は体が持ち上がり、地面を転がる。
そして斧持ちの探索者へ向けてサンダー・スネークは口を開き、その鋭い牙で左腕に噛みついた。
「ぐわああああああ!?」
バリバリバリバリバリ!!! と強力な電流が流れ、感電と共に牙が食い込んでいく。
剣を顔へめがけて振り下ろすも、ビクリともしない。
むしろアゴの力がどんどん強くなり、腕を引きちぎろうとする勢いであった。




