子供部屋おじさん、不安になる
2日目。真っ直ぐに突っ込んでくるホーンマウスを、棍棒で倒していく。
今更もう苦戦する相手でもないが、後ろを気にしながらというのは、中々に神経が磨り減る戦いである。
モンスターを倒し、周囲を警戒。完全に安全を確保してから、作業員達と共にダンジョンを進んでいった。
「いやあ、お2人共強いですね。これなら安心です」
佐藤が上機嫌な様子でそんなことを言う。
もう1人の護衛、海野は鈴木が見る限りでは中々に良い動きをする探索者だと思った。槍のリーチを生かして敵と一定の距離をとりつつ、鋭い突きを放って敵を倒している。人手不足は感じるものの、実力的には申し分のない仲間だ。
第二階層は第一階層よりも故障個所多く、作業は昨日よりも時間がかかった。そして今日のノルマは第二階層の点検終了のようで、18時に終わるのは厳しい状況となっていく。
「すいませんが、今日は残業に付き合っていただけますかね」
佐藤の提案に、鈴木と海野が了承する。
探索者側の残業手当は、1時間につき3万円ならしい。
疲れもあってか、そこから19時すぎまで、会話は少なかった。
しかしケガ人等は出ず、2日目が終了していく。
3日目は、第三階層を点検する予定だ。
☆
3日目からは、探索者が新たに2名追加された。
そしてその2名は、見知った人物であった。
この間助けた、ギラついた若者コンビである。
「リョータさん! この依頼を引き受けていたんですね。ご一緒できて嬉しいです!」
「あ、ああ……よろしく……」
正直、鈴木の心境は複雑だ。
「ケガは大丈夫なのかい」
「もちろんですよ。この間の失敗は、挑戦によって起きたことですからね。良い経験になりました。俺達は何度だって立ち上がりますよ」
「そうかい……」
この2人はなんというか、功を急くタイプだ。
不安である。
今回のような護衛という仕事に、あまり向いている性格とは思えなかった。
(人手が増えるのは助かるが、よりにもよってこの2人か……引っ張ってくれるような、ベテランを期待していたんだが、まさかの粗削りな若手と来たか……まいったな)
こうして探索者4人、作業員4人の合計8名でダンジョンへ潜っていく。
第三階層の敵は、ゴブリンだ。




