子供部屋おじさん、協会の仕事を引き受ける
協会の受けつけで依頼のことを教えると、ロビーのソファに座っていた作業服を着た作業員達がこちらへやってきた。
「どうも、今日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
あいさつをしてきた40代ぐらいの作業員が名刺を渡してきたので、それを受け取る。
役職は係長。名前は佐藤。
今回、設備の点検・修理をする現場リーダーのようだ。
他には3人の部下を引き連れていて、その内の1人が30代の男で主任ならしく、こちらも名刺を貰った。
残りの2人は20代前半の、若い男であった。
そしてもう1人、背の高い20代前半の若い男がいたが、こちらは探索者。
護衛以来を引き受けた探索者は彼と、鈴木の2人のようだ。
「よろしくお願いします。鈴木です」
「……海野です」
小さな声。
ソロ活動する探索者に多いタイプだが、物静かなようだ。
鈴木としては、賑やかなタイプよりはやりやすいので、運が良いかもしれないと思った。
「では、さっそくいきましょうか」
主任の言葉をきっかけに、男達6人はダンジョンへと潜っていった。
☆
まずは第一階層から作業に入る。
この辺りならば出現するモンスターはスライムなので、それほど危険ではない。
作業員の若者の1人がタブレットを持ち、残りのメンバーがウォールライトの様子や、魔力を送っているチューブの点検をしていく。
タブレットにはいくつかのチェック項目があり、問題なければそこにチェックを入れていく形だ。
点滅したり、消えているものがあれば作業員がアイテムボックスを使ってパーツや工具を取り出し、作業した。ダンジョンに入るだけでステータスに覚醒し、アイテムボックスを扱えるというだけでも、ダンジョンが現代に現れた恩恵は大きい。
また、もう1人の若者がアンテナの伸びるコントローラーのような端末で、なにやら数字を解析している。
ダンジョンに漂う魔素というものを観測しているらしく、異常がないかを調べているらしい。
(普段潜っているのに、細かいことはよくわからないまま戦っているな……)
そんなことを実感した。
ちなみにドローンは飛んでいるが、インターネット上では非公開となっており、録音とAI監視のみを行っている。
鈴木達がすることは、移動や作業中に周囲を警戒し、モンスターを倒すことだ。
ただ、スライムは今となってはザコ敵なので、軽く武器を振るだけで一撃で倒せる。
もう1人の若い探索者も同じであった。
ちなみに彼の使用武器は槍である。
そしてセーフティエリアと呼ばれる、モンスターの近寄らないエリアには、巨大な魔力製造機が置かれている。
そちらの点検を終えると、係長の佐藤が鈴木達2人の探索者へ振り返る。
時刻は16時であった。
「第一階層なので、早めに終わりそうですね。第二階層もいけるところまでいこうと思うのですが、よろしいですか」
「私は構いませんよ」
問われて、鈴木はそう返事をした。
海野は無言でこくりと頷く。
「では、行きましょうか」
作業員達と共に、第二階層へと進んだ。




