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40歳子供部屋おじさん、社会復帰のためにダンジョンへ入る  作者: 音有五角


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子供部屋おじさん、協会から仕事が届く

 コボルトの査定金額を受け取り、家へと帰る。

 母が作ってくれた夕食をとった後、自室に戻って携帯の通知を確認。

 通知があったのは、探索者協会のアプリであった。

 レスキューありがとうございました、というメッセージと共に、30万円の報酬が振り込まれていた。


(この前の女性といい、レスキュー料金はこの辺りが相場なのだろうか)


 基本的には協会との話し合いの元、料金が算出されるらしい。

 そしてふと気がついたのだが、諸々合わせると、探索者の仕事として儲けた金額の合計が100万円を余裕で突破していた。


「100万かぁ……」


 貯蓄があるわけだが、税金のことを考えると動かせるのはとりあえずそのくらいだろうか。

 もちろん最優先は自立と両親へのプレゼント。

 大きな買い物で一番欲しいものは車だが、どうせだったら新車のミニバンでも買いたいと考えた。

 というか、5年前に乗っていたのがそんな感じだった。


(だとするとまだまだ足りないが……なんだか、かつての自分へ戻っていくような。でも、やっぱりあの時とは違うような。現に年はとってしまったし。不思議な感覚だ)


 助けた若者のプロフィールを見ると、説明文のところに“この業界を俺達で絶対に盛り上げます!”と書かれていた。

 今回の敗戦で心が折れなければいいが、とまたも心配になった。

 しかし探索者は厳しい世界。

 救助するまでが限界であり、そこまでが仕事だ。

 そもそも救助は任意なので、これ以上の関与は野暮である。


(さて。次は第七階層となるわけだが……落とす魔石の値段が一気に1000円へと跳ね上がる代わりに、敵のモンスターが魔法を使ってくる。厄介だな……それに正直、さすがに魔法を使う相手は怖い。まだまだ第六階層でいいかな……)


 と、今後のことについて頭をめぐらせていた時だ。

 探索者協会のDM欄。

 そこに、協会から直接送られたものがあったのに、気がついた。


「ん? なんだろうか」


 鈴木はメッセージを開く。

 それは第1~第5階層の設備点検の護衛・補助の依頼であった。

 ダンジョン内には特殊素材でつくられたウォールライトがあり、その点検が不可欠だ。

 鈴木は探索中、すでに何個か破損や電気がついていないウォールライトをいくつか見かけている。

 定期的なメンテナンスが必須なのだろう。

 報酬は1日30万円(手数料なし)。

 道中で手に入る魔石は原則、査定の対象外となる。

 拘束時間は7時間で、昼の12時スタートだ。

 いわゆる低階層なので、専業の探索者がいないのだろう。 

 仕事を任せられる実力を持つ探索者が中々いない――そんな状態ならしい。


(ううむ。設備点検の仕事か……)


 ちょうど上の階層に行けるか、迷っていた時期。

 報酬金額は、悪くない。今の日給から考えると高い。

 そして仕事の範囲的に、第五階層までなら十分に戦える。

 タイミングは良いな、と鈴木は考えた。

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