子供部屋おじさん、元カノから連絡を受ける
『一撃!』
『剛力スキル!?』
『ナイス!』
『おじさんかっこいい』
「ははは、どうも」
(しかしすっかり、おじさんで定着してるなぁ……やれやれ。今どきの子はちょいと失礼じゃないかい?)
そんなことを思いつつ、魔石を回収。
そして上昇したステータスを確認し、満足気に頷いた。
(レベルアップのステータス上昇値が上がっている……まだまだ、稼ぎは増やせそうかな)
超睡眠との合計で攻撃は58。
そこへさらに剛力が発動すると、70にまで上昇する。
およそレベル20にも相当する攻撃の数値だ。
第四階層の推薦レベルは8なので、オーバースペックである。
『もっと先進んでも良いかもね』
『推定レベル下振れでもいけるよ』
『ソロでもいける』
『回復もできるしね』
「ははは……まあ、焦らないでいきますよ。若い子達のように、ギラギラしている性分じゃないのでね」
死亡のリスクもそうだが、無理に突き進もうとか、探索者にありがちなナンバーワンになる、絶対に成功者になるんだ! といったパッション溢れるマインドはない。
細々と稼いで、食っていければそれで満足だ。
今更自分が、なにかの世界でトップに立てるという、そんな見込みもないのだから。
しかしコメント欄は少し残念そうであった。
『えー』
『ガンガンいけばいいのに』
『もったいない』
『いやいや、慎重な方がいいから』
『好きにさせてやれや』
(案外、評価されているんだな……才能があって、嬉しい話だ)
ただ、手応えは感じている。
いけるところまでは、昇っていこうとは考えていた。
☆
剛力スキルによって強化された火力を振り回し、第四階層で順調に狩りを進めていった。
長い舌による攻撃は厄介であったが、対処できないものではなかったので、なんとかなった。
それでも何回か攻撃に当たり、軽いケガはしたが、そこは回復魔法でリカバリーした。
MP回復を待つ時間がやや、じれったく感じた。
狩りを18時で切り上げ、受付へ魔石を渡す。
受付をしたのは、若い女性の職員だ。
「――合計、108個。32400円、手数料引いて29160円となります」
シタカエルの魔石は1個300円であった。
2万円前半の日給から、2万円後半へ。
中々に良い稼ぎだ。
おそらく、今週は14万ほど稼げるのではないだろうか。
(この調子でいけば、非課税も卒業できる。うむ、社会の一員へ復帰できたと、徐々に実感出来てきたぞ)
あとはあの子供部屋を卒業するタイミングだ。
ある程度まとまったお金を作ったりして、胸を張って出ていきたいところである。
そんなことを考えつつ、協会を出て――携帯を確認。
思わず、声が漏れた。
――亮太さん! やっと連絡くれたんですね! もう~ずっと心配してたよ、バカぁ><
――今日とか、会えないの!? 元気な姿を見せてよ!
「お、おう……会っていいものなのか、これは」
鈴木は困惑しつつ、心のどこかで、喜びを隠せないでいた。




