子供部屋おじさん、シタカエルと戦う
休暇の2日間を消化し、新たな1週間が始まっている。電車の中で揺られている時、携帯をいじっていた。
困ったことに、この間助けた女の子からDMが送られていた。
『――何度も、すいません。すぐじゃなくても、良いんです。一緒にパーティーを組みませんか?』
(ううむ……吊り橋効果ってやつがすごいのか、それとも純粋に俺の力を求めているのか……)
いずれにせよ、若い女の子と2人きりでパーティーを組むというのは、気が進まなかった。
DMで丁寧に、断りのメッセージを送っておく。
そうこうしていると、目的の駅に着いた。
降りて徒歩10分ほどの場所で、いつも通う探索者協会に辿り着く。
受付を済ませ、ダンジョンの中へと入っていった。
☆
スタートの接続数は“41”であった。
第四階層へと続く階段を降りながら、今日の予定を説明する。
「今日は第五階層へ挑戦します」
『おっすおっす』
『第五階層か』
『まあ、いけるやろなぁ』
『ガンガンいかないのが不思議なポテンシャルではある』
『おじさんを待ってました』
『昨日の子とはあれから会ってない?』
「まあ、はい。そうですね。会ってないです」
『そうですか』
『結構人気の子なんよな、あの子』
『そうなの?』
『ミキって名前で活動してる。新人探索者だけど、もうフォロワー10000超えてる』
『やっぱ顔か……』
『女さんってマジ伸びるよな』
『結構デカかったしな』
『お前ら単純すぎる』
「ははは……まあ、華があるから、当然なんじゃないですか。むしろ自分みたいなオッサンをわざわざ見に来てるみなさんの方が、変わってますよ」
『おじさんの方が見やすいのよ』
『最近の女さん探索者は視聴者媚びが強すぎて……』
『探索者はアイドルじゃないんよ』
『協会が配信としてプッシュしすぎ』
雑談をしている間に階段を降りきって、第五階層へと到着する。
進んでいくと、やがて――左への曲がり角から、その鳴き声が聞こえてきた。
「ゲコ、ゲコぉ」
「……いますね」
『舌めっちゃリーチ長いから気をつけて』
『さあ、今日も始まるぞ』
『いけ、いけー!』
棍棒を構え、待ち構える。
しばらくすると――曲がり角から、体長150センチの大きなカエルが、勢いよく飛び出してきた。




