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40歳子供部屋おじさん、社会復帰のためにダンジョンへ入る  作者: 音有五角


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子供部屋おじさん、パーティーに誘われる

 朝。起きてから携帯を確認すると、協会のアプリに通知が来ていた。

 パーティー勧誘のDMが2通だ。


「え……?」


 協会のアプリではゲームのようにパーティー募集をしたり、パーティー参加をすることが出来る。

 が、実績のない新人探索者は基本的に、自分からいかなければどこにも入れず、集められないものなので、こういったスカウトは珍しい。


『――配信を見ました! ぜひ、私達のパーティーに参加してほしいです! よろしくお願いします!』


『――こんにちは。1回1万円で同伴、どうですか?』


「前者は配信を見てのDM。もう1つは……まあ、あれか。多分だが、色んな人間に送っているんだろう」


 自信のないエリアへ踏み出す初回などで、お金を出して強い探索者と同伴してもらうというのはある。

 だが原則、ダンジョン法によりそういった行為は禁止されていた。

 お金を受理した者、渡した者、共に垢BAN、ライセンス停止もありえる行いだ。

 しかし探索者間で頻繁に行われるものでもあり、その全てを取り締まれていないのが現状。

 ある程度は黙認されているらしい。

 トラブルなどに発展した場合のみ、協会などが動く形だ。

 事件が起きるまでは動かない――そんな感じのスタンスならしい。もちろん、探索者協会のそういった姿勢や体制に疑問視する声は多い。


(しかし、このお金を要求しているアカウント、女の子なのが闇深いな……加工バチバチの写真なのも恐ろしい)


 その裏には一体なにがあるのか。

 同伴をお願いしたらどうなるのか。

 あまり深く考えないでおこう、と鈴木は判断した。

 ダンジョン業界は配信の義務化により、犯罪への抑止力は強くなったが、その性質上怪しい世界の連中も近づきやすい性質はどうしてもある。

 当然、そういった者は探索者にはなれないし、関係者としても携われないわけだが、あらゆる手段を使って関わっているようだ。

 世界の闇の一部を見たようで、鈴木は怖くなった。


(パーティーを組むのは、慎重にいった方が良いだろう)


 パーティーを組んで揉め事やトラブルが起きるのも、あるあるの業界だ。

 現状は、ソロでも十分に安定して稼げている。

 なによりも、黙々と1人で集中して、マイペースにやれるのは楽しい。

 配信を見たと言っている方にのみ、断りのDMを送っておいた。あとはスルー&通報だ。

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