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レ
笑う人間ほど、私はよく覚えている。
泣いている顔は、いずれ誰もが忘れる。
けれど、本気で笑っていた顔だけは、不思議と記憶に残る。
れんくん。
クラスで一番よく笑う男の子だった。
休み時間になれば、誰よりも大きな声で笑う。
落ち込んでいる誰かを見つければ、何も言わず隣に座る。
『笑ってれば、だいたい何とかなるよ。』
それが口ぐせだった。
卒業して何年経っても、
集まれば誰かが彼の名前を口にする。
『あの頃、楽しかったよね。』
その一言だけで、みんな笑う。
彼は、人の記憶の中でも笑っていた。
『れんくん。何してるの。』
その問いに答える者はいない。
私は知っている。
彼が遺したものは、笑顔だけじゃない。
一枚一枚、心を込めて描いた絵。
誰にも見せなかった想い。
誰かが、大事にしまい続けている記憶。
人は死んでも、
大切にされたものまでは消えない。
私はそれを壊せなかった。
だから、れんくんは今でも生きている。
誰かがその絵を大事に抱きしめ、
あの日の笑顔を思い出している限り。
誰かって言っても。
誰だろうか。




