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る
留守番電話には、必ず最後に「ピー」という録音開始音が鳴る。
古い実家を片付けていた夜、一件だけ聞き覚えのないメッセージが残っていた。
「……ピー。」
しばらく無言。
やがて、小さく息を吸う音。
「もしもし。今からそっちへ行くね。」
それだけだった。
送信日時は二十年前。
その日は、誰も家にいなかったはずの日。
気味が悪くなり再生を止めようとすると、
録音の最後に、玄関のチャイムが鳴る。
「ピンポーン。」
続いて鍵の開く音。
「カチャ。」
そして、録音の中の誰かが小さく笑った。
「ただいま。」
その瞬間、目の前の玄関からも、
「カチャ。」
と、まったく同じ音が響いた。




