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イ

『いつか』。


挿絵(By みてみん)


私はその言葉が好きだ。


叶う保証のない約束ほど、人を簡単に縛るものはないから。


『いつか○○しようね。』


たった一言で、未来を信じてしまう。


彼女も、その未来を疑わなかった。


約束を守っていたのは彼女だけだった。


言われた通りに生きて、

言われた通りに待って、

言われた通りに信じた。


その先に待っていたのは、再会ではない。


聞き慣れた、あの音。


彼女は、その瞬間にようやく理解した。


約束は破られるためにあるのだと。


『あなたが好きです。』


『あなたが嫌いです。』


憎しみは、愛の残骸だ。


『永遠に許さない。』


そう呟いた彼女は、最後に私へ問いかけた。


『……重いって思いますか?』


私は答えなかった。


答える必要などなかったからだ。


その言葉も、その約束も、その人生も。


もう、誰にも届かないのだから。

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