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ユ
夢というものは、人を生かしもするし、壊しもする。
子どもの頃。
『夢は叶う。』
誰もが疑わずにそう信じていた。
努力すれば報われる。
頑張れば届く。
その言葉を握りしめて、人は前へ進む。
けれど、現実は静かだ。
手を伸ばしても届かない夢。
あと一歩で届かなかった未来。
誰かの才能を目の当たりにして、自分の限界を知る日。
そんな景色を、私は何度も見てきた。
人はそこで立ち止まる。
諦める者もいる。
歩き続ける者もいる。
だが、不思議なものだ。
叶わなかった夢ほど、人は大切に抱え続ける。
『終わりじゃない。』
そう言い聞かせる声は、弱さではない。
生きてきた証だ。
私は多くの人生の結末を見てきた。
けれど、一つだけ奪えなかったものがある。
夢を追いかけた時間。
それだけは、誰にも書き換えられない。
結末がどうであれ、
その時間だけは、その人だけのものだったのだから。




