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む
無視してはいけない。
夜中の2時22分、どこからか名前を呼ぶ声が聞こえても、返事だけはするな。
そう言われて育った。
ある晩、
「……ねぇ」
と小さな声がした。
気のせいだと思い、布団をかぶる。
「ねぇ」
「ねぇ」
「ねぇ」
だんだん近づいてくる。
耳元で止まり、
「聞こえてるよね?」
と囁かれた。
私は必死に黙り続けた。
静かになったので安心した、その時。
スマートフォンが震える。
画面には誰の番号も表示されていない。
着信名は、たった一言。
「無視してくれて、ありがとう。」




