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53/97

ひ

ひとりで夜道を歩いていると、後ろから足音が聞こえた。


振り返っても誰もいない。


歩き出すと、また聞こえる。


怖くなって走る。


足音も速くなる。


ようやく家にたどり着き、玄関の鍵を閉める。


静かになった。


安心した、その時。


廊下の奥から、足音が。


今度は家の中で鳴り始めた。なんで。なんで。なんで。


音はゆっくりと寝室の前で止まる。


息を潜めていると、ドアの向こうから小さな声が聞こえた。


「ひとりじゃないよ。」


ドアが開く音がする。

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