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ケ
幸せというものは、不思議だ。
完成したと思った瞬間が、いちばん脆い。
結婚式当日。
白いドレス。
磨き上げられた靴。
祝福の拍手。
『一生を共にする。』
その誓いを、誰も疑わなかった。
未来のために貯金をして。
似合うドレスを選び。
招待客の笑顔を思い浮かべながら、料理を決める。
積み重ねた時間は、すべて今日という一日のためだった。
幸せを分け合えば、自分たちも幸せになれる。
そう信じていた。
人は未来を約束するのが好きだ。
明日も、来年も、その先も続くと信じて。
だが、未来とは約束ではない。
それは、誰にも保証されていない。
祝福の声が響く中、私は静かに眺めていた。
笑顔は、あまりにも眩しかった。
だからこそ、終わる瞬間はよく映える。
誰も気づかない。
人生でいちばん幸せな日が、
人生の最後の「幸せな記憶」になることもあるのだから。
ちょっと遊んでしまったが。
まあオチは変わらない。




