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20/97

ケ

幸せというものは、不思議だ。


完成したと思った瞬間が、いちばん脆い。


結婚式当日。


白いドレス。


磨き上げられた靴。


祝福の拍手。


挿絵(By みてみん)


『一生を共にする。』


その誓いを、誰も疑わなかった。


未来のために貯金をして。


似合うドレスを選び。


招待客の笑顔を思い浮かべながら、料理を決める。


積み重ねた時間は、すべて今日という一日のためだった。


幸せを分け合えば、自分たちも幸せになれる。


そう信じていた。


人は未来を約束するのが好きだ。


明日も、来年も、その先も続くと信じて。


だが、未来とは約束ではない。


それは、誰にも保証されていない。


祝福の声が響く中、私は静かに眺めていた。


笑顔は、あまりにも眩しかった。


だからこそ、終わる瞬間はよく映える。


誰も気づかない。


人生でいちばん幸せな日が、


人生の最後の「幸せな記憶」になることもあるのだから。


ちょっと遊んでしまったが。


まあオチは変わらない。

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