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21/97

コ

生まれたばかりの命ほど、未来を信じられているものはない。


『こんにちは、あかちゃん。』


小さな手。


眠そうな瞳。


泣き声さえ愛おしい。


挿絵(By みてみん)


『ぼくがぱぱ。こっちがまま。』


その言葉には、これから何十年も続くはずの時間が詰まっていた。


泣けば抱き上げ。


笑えば一緒に笑う。


『ずっと大事にするよ。』


その約束に、嘘はなかった。


親は本気だった。


『ずっと一緒。』


『ずっと一緒。』


『ずっと一緒。』


何度も繰り返した。


けれど、「ずっと」という言葉ほど、人間が簡単に口にするものはない。


未来は願いでは決まらない。


約束でも守られない。


『そうだと思ってました。』


その一言だけが、静かに残った。


私は、その家族を見届けた。


誰も裏切ろうとはしていなかった。


それでも結末は変わらない。


人は「ずっと」を信じる。


私は、その「ずっと」が終わる瞬間だけを知っている。今さ。

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