第200話:帰還
一週間が過ぎた。
クロント王国。
オルゲルド王の私室には、薄暗い半ばの闇が支配していた。
王自身は神経質に部屋の中を歩き回り、数秒おきに拳を握っては開くという動作を繰り返している。
突然、私室の扉が勢いよく開け放たれた。
オルゲルドはビクッと肩を揺らして振り返り、本能的に腰の短剣の柄へと手を伸ばす。
だが、入ってきた人物の姿を認めるなり、王は即座に手を引っ込め、慌てて頭を垂れた。
部屋に入ってきたのは、一人の男だった。
男は部屋の中をぐるりと見渡し、薄く笑みを浮かべて口を開いた。
「オルゲルド。すでにドルンハイムから戻っていると聞いたが」
「あ、ああ……はい、我が主」
オルゲルドは顔を上げることもできず、かすれた声で答えた。
「お許しください。私は……奴との取引を成立させることができませんでした」
男はただ軽く手を振り、部屋の奥へと進んで玉座に腰を下ろした。
「それくらいは、火を見るより明らかだったさ」
オルゲルドは、恐る恐る一歩前に出た。
「しかし、どうやって……どうやって奴らと戦えばよいのですか、我が主? 奴らの技術の進歩は……信じられないほど恐ろしいスピードで進んでいます! おまけに、今や神聖なる精霊エリリアまでもが奴らの側に。それに……そこにはノアという、もう一人の奇妙な男もいました」
「パニックになりすぎだ、オルゲルド。私がそれほどまでにお前の頭の中に住み着いてしまっているとでも言うのか?」
男は冷ややかに尋ねた。
男はゆっくりと右手を上げ、手のひらを開いた。
その瞬間、王の背後から極小のデバイスが飛び出してきた——青緑色のインジケーターが光る、マットブラックの円盤だ。
それは空中で宙返りを一つ打ち、男の開かれた手のひらの上へ真っ直ぐに降り立った。
「精霊と、ノア、か?」
点滅するデバイスを見つめながら、男はシニカルな笑みをこぼした。
「そんなものはすべて、ゲームのルールを相手が握っている時にだけ意味を持つものさ」
男は勢いよく左手を上げ、指を鳴らした。
その瞬間、私室の中央の空間が歪んだ。
金属の轟音とともに、最先端テクノロジーの山が寄木細工の床へと吐き出される。
オルゲルドは本能的に後ずさりし、両手で顔を覆った。
未知の暗い合金でできた巨大な箱。その内部では紫色のエネルギーセルが脈打っている。
滑らかな銃身を持つ、奇妙で未来的なライフル。
センサーがびっしりと取り付けられた謎の金属ブロックに、光を放つケーブルの束。
兵器の山からは高周波の唸り音が発せられており、王は即座に耳をつんざかれるような感覚に陥った。
「これは……一体……?」
オルゲルドはショックのあまり囁いた。
「お前の新たな武器庫だ」
男は硬直する王の横を通り過ぎながら言い捨てた。
「ただ、使えばいい。詳しい説明書も残しておいた、わかりやすい言葉ですべて書かれている。すぐに理解できるはずだ」
オルゲルドはゆっくりと一番近くの箱に近づき、その滑らかな金属の表面へと手を伸ばす。
感謝の意を伝えようと、彼が顔を上げたその時。
男の頭の中に、静かな声が響いた。
『ルキウス、会う必要がある』
「……ようやくか」
彼は小さく呟いた。
ルキウスが指を鳴らすと、彼は巨大な広間の内部へと実体化した。
階段のふもとから、一人の男が彼に向かって歩み寄ってくる。
「やあ、ヴァレリウス。久しぶりだな」
ルキウスは落ち着いた声で言った。
「全くだ」
相手は短く頷いて答える。
ルキウスはゆっくりと歩みを進め、一段高くなった場所へと向かう。
「話せ。評議会で何か動きがあったか?」
「その通りだ」
ヴァレリウスは彼の背中を目で追いながら言った。
「お前が『五人評議会』への潜入を完全に果たせと命じてから、俺は時間を無駄にはしなかった。いくつか極めて重要な情報を引き出すことに成功したぞ」
ルキウスは石の階段を上り、振り返って中央の玉座に腰を下ろすと、背もたれに寄りかかった。
「なら、言え。どんな情報だ?」
ヴァレリウスは玉座へ一歩近づき、静かな口調で話し始めた。
「一つ目。ちょうど半年後、評議会はグローバル・トーナメントを開催する計画を立てている。優勝者には、公式に『Zランク・ナンバーワン』の称号が与えられるそうだ」
「自分たちの戦力の棚卸しでもする気か」
ルキウスは鼻で笑った。
「他には?」
「二つ目。評議会は完全に独立した勢力だ。上流社会や他の巨大派閥も、奴らに対してはいかなる圧力の切り札も持っていない。現時点において、すべての魔術師たちの勢力均衡を保っているのは奴らだ。そして三つ目——評議会は現在、新たなZランクの魔術師を密かに匿っている。公式にはまだどこにも登録されていない男だ」
ルキウスは彼の言葉を遮った。
「だが、その名前は突き止めたのだろう?」
「ああ」ヴァレリウスは頷いた。
「奴の名は、ラウル・ヴェルナー」
ルキウスは左手首のブレスレットにあるタッチパネルに触れた。
彼の手の上に、即座に個人ファイルのホログラムが展開される。彼は数ページを素早くめくり、新たなデータを入力した。
「ラウル・ヴェルナー……」
情報を打ち込みながら、ルキウスは静かに復唱した。
「データベースに追加した。奴の現在地は分かっているか?」
「ああ。ブラックリッジ王国、157/A番地に住んでいる」
ルキウスは満足げに微笑み、ホログラムを閉じた。
「結構だ。引き続き評議会の監視を続けろ。そして、気をつけろよ。二度もお前を救い出してやる義理はないからな」
ヴァレリウスはすでに背を向けて立ち去ろうとしていたが、一瞬だけ足を止めた。
彼は玉座に座るルキウスを見上げた。
「俺は……ようやくアイロンに会えるのか?」
ルキウスはわずかに首を巡らせ、その視線が一瞬だけ氷のように冷たくなった。
「もう少し待て。時が来れば、私自ら合図を送る」
ヴァレリウスは承諾の印として短く一礼し、無言で立ち去った。
城に一人残されると、ルキウスは玉座から立ち上がった。
彼は静寂に包まれたらせん階段を上り下りしながら、廊下をゆっくりと歩いていく。
歩きながら、彼はポケットから二つの小さなデバイスを取り出した。
一つは、オルゲルド王のドルンハイム訪問中のすべての会話を密かに録音していた超小型の盗聴器。
もう一つは、携帯型のデコーダーだ。
盗聴器をデバイスのポートに差し込むと、ルキウスは電源ボタンを押した。
スピーカーからかすかなノイズ音が鳴り、それに続いて明瞭な話し声が聞こえてくる。
ルキウスは暗い広間をゆっくりと歩きながら、注意深く耳を傾け、分析を進めた。
録音の再生が終わると、彼は指先の動作一つでデバイスの電源を切り、再びポケットへとしまった。
静まり返った城とは打って変わって、ドルンハイムでは作業がフル稼働で進められていた。
開拓地は、絶え間ない労働の熱気に包まれている。
地下壕の両側には、高さ約三メートルに及ぶ二つの巨大な塔がそびえ立っていた。
その頂上にはすでに、森の方角に向けられたタレット機構が設置されている。
少し離れた場所では、マレクの大声の指示のもと、作業員たちが同型の塔をさらに二基建設すべく、活発に基礎を打ち、骨組みを組み上げていた。
建設現場のまさに中心に、アイロンが立っていた。
今や彼は両足でしっかりと立ち、丸太が一本また一本と、鋼板が一枚また一枚と、防衛線に沿って所定の位置に収まっていく様子を見守っていた。




