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第151話:食

倉庫は埃と古い機械油の匂いがした。


ダーウィンがバキッと大きな音を立てて、木箱の蓋の隙間にバールをねじ込む。


板が軋み、真鍮の鈍い輝きが露わになった。


「これを見てくれ」


ダーウィンは手の甲で額の汗を拭い、黒い汚れを擦りつけながら言った。


「まるで本物だ。外側は純鋼で、高品質な添加物も使ってる。ラインハルトの奴、涎を垂らして喜ぶぜ」


アイアンは車椅子を近づけ、目を細めた。


部品は木屑の中に横たわっていた。滑らかで、精巧な作りだ。


もし、中身が微小な亀裂だらけの再製錬された鋳鉄だと知らなければ、その品質を本気で信じてしまっただろう。


「いい出来だ」


アイアンは鼻を鳴らした。


「閉めろ。そのまま寝かせておけ」


ドア枠に寄りかかっていたヴァルターが、敷居に唾を吐き捨てた。


「大した役には立たんさ。一ヶ月放置されて、さらに一ヶ月はこのままだろうよ。街道は空っぽ、森の中も空っぽだ。今日の猟師たちも、また手ぶらで帰ってきやがった」


「完全にゼロか?」


アイアンはキャプテンの方へ顔を向けた。


「リスだ」


ヴァルターは顔をしかめた。


「リスの異常繁殖だ。丸々と太った図々しい獣どもで、向こうから勝手に手に飛び込んでくるくらいだ。だが、肉(まともな獲物)は? ゼロだ」


アイアンは眉をひそめた。


「エリリア!」


彼は声を張り上げた。


精霊が気怠げに宙を漂いながら現れた。刈り取られたばかりの青草の匂いが尾を引く。


彼女は完全に自己満足に浸っている様子だった。


「何? 街が花でいっぱいになったでしょ、見た?」


「ああ、見たよ。それより教えてくれ、魔物たちはどこへ消えたんだ、エリリア」


精霊は木箱の上に着地し、透き通った両足を下に折りたたんだ。


「ああ、あれね……」


彼女は小馬鹿にしたように手を振る。


「私が追い払ったのよ。だって、すごく醜いんだもの、アイアン。歯は曲がってるし、酷い悪臭だし、いつも何かをかじってる。美観を損ねるのよ。だから、出て行けって言ってやったの。でも、リスは残しておいてあげたわ。可愛いでしょ。ふさふさした小さな耳があって。すごく愛らしいと思わない?」


倉庫に死んだような静寂が降りた。


ダーウィンがゆっくりとバールを下ろす。


ヴァルターは口を開けたまま固まっていた。


部屋の隅から、ノアが音もなく歩み出た。


「つまり」


ノアの声は冷たく、感情の起伏がなかった。


「俺たちが二週間も味気ない粥と木の実ばかりで腹を満たしていたのは、お前がイノシシのツラを気に入らなかったから、ってことか?」


「景観に合わなかったの!」


エリリアは顎をツンと跳ね上げた。


「私は調和を育んでるのよ」


「調和だと?」


アイアンは自分のまぶたがピクピクと引きつるのを感じた。


「『気持ち悪いから』って理由で食物連鎖をぶっ壊したのか? 俺たちは人間だ、エリリア、それを忘れるな。肉が必要なんだ、毛皮が――クソッ、素材として、いや正直に言えば単に食料として、魔物すら必要なんだよ。自分がどれだけ頭の悪いことをしたか、分かってるのか?」


精霊は目を丸くした。


「でも……本当に醜かったのよ」


「ああ、もういい」


ノアは目を剥いて背を向けた。


「こいつ、本気で分かってない。子供の脳みそを持った強大な存在ってわけだ」


アイアンは深く息を吐き、怒鳴り出さないように堪えた。


「戻せ。全部だ。今すぐに。景観なんて知るか。分かったな?」


精霊はふくれっ面になり、彼女の放つ緑色の光が鈍くなった。


「恩知らず。あなたたちのためにやってあげたのに、お花も植えて……分かったわよ。後になって私に泣きついてこないでよね」


彼女は踵を返し、弾丸のように窓から飛び去っていった。


後には一握りのしおれかけた花びらだけが残された。


十秒も経たないうちに、森の奥深くから長く響く遠吠えが聞こえてきた。


その直後、倉庫の壁のすぐ外で、何か重たいものがバリバリと茂みをかき分ける音がした。


ヴァルターが満足げに鼻を鳴らし、剣の柄頭をポンと叩く。


「ようやくか。ダーウィン、鉄いじりはやめにしろ。罠を仕掛け直しに行くぞ。今日はまともな夕飯にありつけるぜ」


アイアンは鼻の付け根を揉んだ。


「馬鹿馬鹿しい。高位の存在なんて、気まぐれなガキの性格をしたただの自然災害じゃないか」


森には再び腐敗の匂いが漂い始めた。湿った落ち葉、イノシシの汗、そして野苺の匂いだ。


むせ返るような花の香りに比べれば、途方もないほどの改善だった。


ヴァルターが地面に身を伏せたまま動きを止める。


彼の膝がポキッと大きな音を鳴らし、空き地の端で車椅子に座っていたアイアンは思わず顔をしかめた。


「静かにしろ、親父」


ノアが小声で鋭く言った。彼はヴァルターの頭上の樫の枝にぶら下がっている。


「誰が言って……」


ヴァルターの言葉は途切れた。


前方の茂みから、重く湿った鼻息が聞こえてきたのだ。


アイアンは肘掛けを強く握りしめた。


この狩りにおける彼の役割は、ただ見張りをすることだけ。完全に屈辱的な役回りだった。


「来るぞ」


ヴァルターが囁く。


茂みの中から巨大な図体が飛び出してきた。


荒々しい赤錆色の剛毛に覆われた、途方もなくデカいイノシシだ。


黄色い牙は曲がって鋭く尖り、顎からは涎が滴り落ちている。


「最高だ」


ノアが呟く。


彼は枝から真っ直ぐに跳び下りた。


その刃は、獣の肩甲骨の下へ完璧な軌道で吸い込まれていく。


イノシシは森中に響き渡るような耳障りな悲鳴を上げ、下草を薙ぎ倒しながら前へ突進した。


ヴァルターは痛む足のことなど完全に忘れ去り、勢いよく立ち上がると、すれ違いざまに獣の脇腹へ猟槍を深く突き立てた。


泥が四方八方に飛び散る。


一分後、すべてが静まり返った。


イノシシは微動だにせず横たわり、泥濘の中で最後に一度だけ蹄を痙攣させた。


「一丁上がりだ」


ヴァルターは血まみれの袖で額の汗を拭った。


「あのバカ女はこれを美しくないなんてほざきやがった。この首回りを見てみろ。優に四十キロは純粋な肉が詰まってるぜ」


アイアンは泥の縁まで車椅子を進め、死んだ獣を見下ろした。


彼の頭の中で、馴染みのある脈動が響く。


『リュモン、解析しろ』


[通知]


生体物質を検知。高密度タンパク質の摂取を強く推奨します。


「ヴァルター」


アイアンは声をかけた。


「野営地に引きずるぞ。それから、エリリアが戻ってきたら伝えてやってくれ。これがここ一ヶ月で見た中で一番美しいものだってな」


ヴァルターはイノシシの後ろ足を掴みながら、ニヤリと笑った。


「伝えておくさ。まあ、あいつは一週間は俺たちの誰とも口を利かなくなるだろうがな」


脂が炭の上に滴り落ち、ジュージューと大きな音を立てて濃く重い煙を立ち昇らせた。


彼らは中庭で焚き火を囲んで座っていた。


ノアは中までしっかり火が通るのすら待たずに、次の肉の塊を切り落とす。


ヴァルターは一口一口を味わうように、ゆっくりと食べていた。


エリリアは炎から三メートルほど離れた空中に留まり、見せつけるように半透明の手で鼻をつまんでいた。


「死体を食べてるのね」


彼女は吐き捨てるように言った。


「それに、死体みたいな匂いがする。最低だわ」


アイアンは他の者たちから少し離れた場所で車椅子に座り、熱いブイヨンの入った木のマグカップを両手で揺らしていた。


「明日から整地を始める」


彼は炎を見つめながら言った。


「中心部は取り壊さなきゃならない。まともな家を建てる場所を空ける必要がある」


「あの巨岩を手作業でどかすつもりなら、冬までかかるぞ」


骨をしゃぶりながらヴァルターが指摘する。


「手作業なんかでやるもんか。ダーウィンにコンバーターを二、三個組んでもらって、俺が数式を書き直す。魔導機械のパルスで、古い石材を剥き出しの地面まで蒸発させてやるさ。そしたら、その後でエリリアがそこに緑を編み込めばいい。あいつにとって『景観』がそんなに大事ならな」


精霊は腕を組み、鼻を鳴らした。


「私にそんな力が残っていればの話だけどね。言ったでしょ……私の本来の姿を取り戻すのに六ヶ月っていうのは、一番楽観的な予測よ。それが最低ライン。最大でどれくらいかかるか、私にも分からないんだから」


「そもそも、誰が一体お前をそこまでボコボコにしたんだ?」


ダーウィンが指を舐めながら尋ねた。


「お前って、全能で不死身の存在とか、そういうのじゃないのか?」


エリリアは肩をすくめ、彼女の放つ緑色の光が一瞬だけ翳った。


「化け物よ」


彼女は目を逸らし、しぶしぶ呟いた。


「完全なバケモノ。純粋な闇の塊で、赤い目と大きく開いた口以外、何もなかった。もちろん、私が塵に変えてやったけど、その途中で私のコアをほとんど吸い取られちゃったの。だから、お花を植えてあげてるだけでも感謝しなさいよね、この恩知らず」


焚き火の上に重苦しい沈黙が降りた。薪が爆ぜる音だけがそれを破る。


「そういうこともあるさ」


ヴァルターが袖で口を拭いながら言った。


「俺も昔は、ただの剣兵として一生を兵舎で腐らせるもんだと思ってた。伯爵が俺を列から引き抜いて、召抱えてくれるまではな」


彼はウェイランドの方へ顎をしゃくった。


伯爵は丈夫な椅子に座り、小さな狩猟ナイフで骨から肉を丁寧に削ぎ落としていた。


「そして私は、正しい選択をしたというわけだ」


ウェイランドは静かに答えた。


ノアは空になった木の串を指の間で回した。


「子供の頃のことでマトモに覚えてるのは、爺ちゃんと婆ちゃんのことくらいだな。浮浪児だった俺を拾って、屋根の下に住まわせてくれたんだ。ダチが剣の振り方を教えてくれた……あんたやエリリアがドルンハイムに落ちてくる、ずっと前の話だ。でも……もうあいつらは生きてない」


ダーウィンは髭からパン屑を払い落とし、鼻で笑った。


「あの頃のお前を覚えてるぜ。初めての剣を求めて、俺の店に走ってきたっけな。ガリガリの小僧で、目をギラギラさせて、いつも誰かに何かを証明しようとしてた。それが今のてめえを見てみろ……」


彼はノアをじっと見つめた。


「冷たくなったもんだ。真面目になっちまって」


ノアはただ肩をすくめ、その言葉を聞き流した。


ゆっくりと、全員の視線がアイアンへと向けられた。


「お前はどうなんだ、アイアン?」


ヴァルターが煙越しに少し目を細めて尋ねる。


アイアンは毛布の下に隠された、動かない自分の両足を見下ろした。


それから顔を上げ、オレンジ色の炎に照らされた男たちの視線を受け止める。


「混沌としたガキ時代だったよ」


彼は平坦で、感情の読めない声で言った。


「暇を持て余していて、自分自身に残酷な人体実験をするっていう最悪の癖があったんだ。面白い話じゃない」


アイアンは熱いブイヨンを一口飲み、温かさが胸に広がるのを感じた。


『俺がここに来るまでにどんな目に遭ってきたか、あんたたちは知らない方がいい』


彼は心の中でそう思った。


『知ったら、ただ俺に同情し始めるだけだからな』


焚き火が静かに爆ぜる。


夜がドルンハイムを完全に支配していたが、誰も急いで解散しようとはしなかった。


彼らはただ共に座り、頭上で精霊が不満げに鼻を鳴らす音を聞きながら、ぽつりぽつりと短い言葉を交わし合っていた。

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