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異世界帰りの英雄は理不尽な現代でそこそこ無双する〜やりすぎはいかんよ、やりすぎは〜  作者: mitsuzo
第二章

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239「8階層の戦い(2)」



『キョキョキョ。オマエタチココマデダ』


 8階層の奥に現れた人影、それは喋る魔物であった。

 たしかに喋る魔物ではあるのだが⋯⋯、


「え? これ? これが『()(はしら)』⋯⋯?」


 先頭のペドロ・ハドラーが目の前の喋る魔物を見てガッカリした表情で呟く。


「いや、これは違うぞ。ただの喋る魔物じゃ」


 そんなハドラーに慰めるように答えたのは櫻子。


「え? じゃあ何?『()(はしら)』じゃないの? だったら《《こいつらは》》何なのよ」


 ルーシー・フェアチャイルドがそう呟くのは、目の前の喋る魔物の後ろには30匹ほどの喋る魔物がひしめき合っていたからだ。すると、


『キョキョキョ! オマエタチドウヤラ調子ニ乗ッテイルヨウダナ。シカシ、ココニイル我ラハ7階層ニイタ上位種ノ中デモサラニ強者ニ位置スル。7階層《《ゴトキ》》奴ラト同ジト思ッタラ痛イ目ヲ見ル⋯⋯』

「うるっ⋯⋯せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

『ゴボォォォォアァアアアァァァア!!!!!!』


 今しがた語っていた喋る魔物に無慈悲な拳を振るったのは、普段クールでスマートな印象しかない韓国のパク・ハサンだった。


「いいっ?! なんつー攻撃! しかもそれやったのパク・ハサンかよ!?」

「嘘だろ! パク・ハサンってあんなんだったか?!」

「バッカ。おまえ知らねーの? パク・ハサンの裏の顔は『狂戦士(バーサーカー)』って有名だぞ?」


 そんなパク・ハサンの急襲を見て「意外だ!」と驚く者と「これがパク・ハサンの本来の顔」と納得する者らがざわつく。


「あ、てめえパク! 先に仕掛けやがって!!」

「ああっ!? んなもん関係ねーだろうが!! お前らそのままチンタラしてるなら俺一人でかたづけて⋯⋯」

「「「「「やらせるかよっ!!!!」」」」」


 そうして、目の前の30匹ほどの喋る魔物相手にトップ10ランカーとS級探索者(シーカー)らが突っ込んでいく。そして、


『グギャァァァ!? ナ、ナンダコイツラ⋯⋯! 人間ガコンナニ強イダナンテ⋯⋯アリエナイ⋯⋯』


 時間にしてほんの10分足らずで30匹近くいた喋る魔物を倒し⋯⋯いや、《《蹂躙》》した。


 その時だった。


「おお! すごい! 人間って強いじゃないですかぁっ!?」


 30匹近くの喋る魔物の屍の奥から3つの人影、そして、その中の一人が声を張ってそんなことを言ってきた。

 その声色は『驚愕』というよりむしろ『煽り』と感じさせるような、おちょくったような声色だった。


「⋯⋯ふん。来たようだな」

「ああ、おそらくあいつらが『()(はしら)』じゃ」


 その人影にキッと刺すような視線を向けたのはアーサーと櫻子。


 こうして、櫻子たちが『()(はしら)』と接触を果たした。



********************



——8階層 入口付近


「なんだ?! 突然奥が騒がしくなったぞ!」

「もしかして戦闘が始まったんじゃ⋯⋯」

「おおお! 俺たちも参戦するぞぉぉ!!!!」


 6・7階層で戦っていたカルロス具志堅率いるA・B級探索者(シーカー)らが8階層に到着すると同時に奥での騒ぎを聞いて我先にと進んでいく。


「⋯⋯戦闘が始まったですって? ということは、もうすでに櫻子様たちは『()(はしら)』と戦っているの? でもそれにしては『()(はしら)』というより喋る魔物のような悲鳴が聞こえるのは一体⋯⋯?」


 そんな中、殿(しんがり)付近にいたカルロス具志堅が一人冷静に状況を把握しようと努めていた。


「もしかしたら櫻子⋯⋯様やソフィア様たちがその『()(はしら)』って奴らを圧倒してるんじゃない?」


 そんな軽口を呟くのはエレーナ・ツヴァイコフ。しかし、


「いや、それは無いわね。正直『()(はしら)』はこれまで戦った喋る魔物やその上位種とは次元が違う強さだもの」


 と、カルロスがはっきりと『()(はしら)』の脅威を言葉にする。


「本当に〜? 正直7階層の喋る魔物の上位種でさえ《《あの程度の強さ》》だったんだよ〜? さすがにカルロスさんの言葉は信じられない⋯⋯」

「いや、カルロスさんの言う通りだ」

「⋯⋯越智」


 エレーナの言葉を遮るように入ってきたのは過疎化ダンジョン凸り隊リーダー越智大輔。


「俺たちクランとカルロスさんは実際に『()(はしら)』の一人⋯⋯マグダラと戦ったからわかる。これまでの喋る魔物とはカルロスさんの言葉通り次元が違う強さだった」

「⋯⋯へぇ〜」

「それに、あいつらはオメガと同じ『魔法』を使っていた」

「⋯⋯魔法」


 越智の『魔法』という言葉にピクリと反応するエレーナ。


「マグダラの魔法は自分の分身を7体出現させてたわ」

「ぶ、分身っ!? しかも7体って⋯⋯」

「ちなみにその分身の奴らにこちらの物理攻撃は通用しないわよ? そのくせ、あいつらの攻撃は私たちにはちゃんと通用するんだからたまったもんじゃないわ」

「えええええっ?! そ、そんなのに、どうやって勝てって言うのよ!」

「一応、その時はオメガがマグダラの分身を消す魔法を使ったおかげでどうにかなった」


 越智のその言葉を聞いて「さすオメガ様!」と恍惚な表情で声を上げるエレーナ。


 しかし、同時にエレーナに《《ある疑問》》が湧く。


「え? でも今ってオメガ様いないんだけど? それって⋯⋯」


 エレーナが勘づいたであろうセリフを聞いてカルロスと越智が苦笑いを浮かべながら返事を返す。


「そう、あなたの想像通りよエレーナ。オメガがここにいない状況でマグダラ攻略は相当難しいってこと」

「正直、櫻子様や他のトップ10ランカーたちの中でマグダラの分身を無効化できる奴がいないとかなりやばいっていう⋯⋯そんな状況だ」

「そ、そんな⋯⋯」


 二人からのあまりに危機的状況を説明されたエレーナはただただ絶句するしかなかった。


新作はじめました!


『TS転生者の生存戦略〜Transsexual Reincarnation's Survival Strategy〜』

https://ncode.syosetu.com/n3337kz/


毎週土曜日10時頃投稿


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