表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シカクイ  作者: 河村 恵
2/3

シカクイ生活

丸く突き出たおなかをさすりながら、自分が四角くなったときを想像してみた。

頭は小さく、足もけっこう細い。おなかだけ出ているので、きれいな四角になれるのか? きっとひし形になるのではないか、などと考えていると、会社に着いた。


やはり、みんな四角くなっていた。


「おはようございます」


「おはよう」


受付嬢の美樹まで四角いことにはショックだった。四角くなっても美人は美人だ。

上司、後輩たちの四角い姿は、滑稽だったり、あわれだったりした。

中でも、部長は台形のようになっていで、歩きにくそうにしている。


「あ、私がやります」


部長の危なっかしい動きは黙ってみていられなかったのだ。


「今日は朝からやけに気がきくな。何かいいことでもあったな?」


部長は少しいやらしい目をして訊いてくる。



四角い人たちを見ているのは飽きなかった。

仕事をするにも、電話をするにも、四角い指や、四角い頭でこなしていく。


午後三時。

だいぶ四角い環境にも慣れてきた。人間の順応能力に感心した。

先週から準備していたプレゼンもうまくいき、順調だ。

外回りの帰りに、コーヒーを飲んだ。四角いコーヒーカップを持つと寒さで失いかけていた指先の感覚が戻ってきた。

会社に戻っても、やはり部長は台形のままだった。


日報を提出し、足早に岐帰路に着いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ