後処理
仕事が忙しくなかなか更新が難しくなってきました。
が、大体2日か3日ペースでの更新で頑張るつもりです。
今後ともよろしくお願いいたします。
地上に戻ると大騒ぎになっていた。
俺達がダンジョンボスを倒した事はダンジョンの魔物が消えたことですぐに分かった様だ。倒したのが清成さんのパーティーである事は先に帰還していた冒険者や入ダン受付の名簿などからすぐに判明していたらしい。予定外は俺が清成さんと一緒に戻った事だけだ。
ダンジョンはあと数日で消滅する事がわかっている為誰も入らないように厳重に封印された。自衛隊が見張りもしているので大丈夫だろう。
町ではダンジョン攻略と清成さんたちの無事を祝うため多くの人が通りに出てきてすごい事になっていた。祭りが中止になっていたのもあって改めて凱旋パレードでもさせられそうな雰囲気である。
俺はダンジョン内で保護された一般人という立ち位置ではあったが、治療などで若干の補助をした事になっている。その為一緒に冒険者ギルドまで赴き話をすることになっていた。
冒険者ギルドは小笠原の町の東地区にある。巨大な建物ではあるがファンタジー小説に出てくるような一階が酒場になっているようなものではなく、三階建ての屋敷のような建物だった。扉を開けると大きなホールがあり正面から右側にかけてL字にカウンターがある。その奥では多くの職員らしき人達がせわしなく働いていた。左の方には階段があり二階へと上れるようになっている。俺達はまっすぐに二階へ向かう階段に歩いていく。清成さんたちはやはり有名なのだろうその間にも多くの冒険者たちに声をかけられていた。
二階に上がると同じくホールが広がっていたがこちらには衝立が並んでいて多くの依頼書や連絡事項などが貼られていた。奥にカウンターがあるが一回に比べると小さい。情報収集や仕事を探している人たちなのだろうか、多くの冒険者が衝立の情報に見入っていた。
三階に向かう階段には「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた看板が出ていたが、清成さんたちは無視して上がっていく。
三階には廊下がまっすぐ伸び、そこに多くの部屋があるのだろうドアがいくつもついていた。
そのうちの一つ、「ギルド長室」と書かれたドアを清成さんがノックする。
「清成か? はいれ」
と渋い男性の声が聞こえた。
「失礼します」
そういって清成さんを先頭に部屋に入っていく。
部屋の中にはギルドマスターらしい年配の男性とその秘書なのだろうか? 若い女性が一人。部屋の横の方で壁に向かって事務処理をしている男性が一人いた。
そんな中、ギルドマスターが話始める。
「無事にダンジョンを攻略できたようでよかったよ。お前らに攻略できないダンジョンなら今の日本では攻略できる人間はいない事になるからな」
「無事ではありませんでしたよ。彩花は死にかけましたし俺達も撤退する所でした」
「まぁ座れ、長い話になりそうだしな」
部屋にあった椅子に俺達は腰を下ろす。
秘書らしい女性が俺達の目の前にお茶とお菓子を用意してくれる。
「最初からでいいか?」
「ああ」
そういって清成さんはダンジョンに入るところから説明し始めた。
俺との出会いからダンジョンボス討伐まで説明していく。もちろん俺の魔法も実質俺が倒したという事まで説明してしまった。
俺はそんな話を横で聞いているしかなかったわけだが、今更ながらにとんでもない事したかもしれない。失敗したかも? などと考えていた。
「御剣君と言ったかね? 君はまだ未成年だと聞いているが君の話も聞きたい。噂ではあのダンジョンから出てきた巨大モグラも君が倒したらしいと言われているがそのあたりも含めて話を聞かせてもらえるかな?」
「解りました」
事ここに至っては隠したところで無駄だろうと俺は覚悟を決める。
モグラに襲われた際に無意識で放った魔法が暴走し飛ばされてしまったこと(にしておいた)。
気が付けばダンジョン五階で途方に暮れていたこと。清成さん達との出会いからボス討伐までは清成さんの言う通りですと説明した。
「そうか、解った」
そう言うと立ち上がり、部屋の奥にあった入り口とは別の扉に入っていった。
暫く待っていると書類の束を持ってきた。
「では、今回の依頼の報酬だがこちらの小切手で1億になる。振り分けはそちらで行ってくれ。御剣君だが、この話が公になると君の生活が危うくなる危険性がある。また未成年を戦闘に参加させたとなれば清成の責任問題も浮上するだろう。できれば御剣君の戦闘参加は無かった事として処理したい。この場合御剣君への報酬がすぐには与えられないが、君が18歳で成人したのち当ギルドへ参加してくれたならその際に支払う事にする。冒険者ランクについても一考しよう。政府とマスコミへはギルドから連絡する。それでいいだろうか?」
「かまいません」
「それでいい」
「では後でこれを読んでサインをしておいてくれ」
そういって書類を秘書さんに渡す。
「あと、巨大モグラの件は事故という事で片づけておくが、警察と魔法塔からの事情聴取はあると思う。その辺はあきらめてくれ」
「そうですね、仕方ありません……」
すごく面倒そうだが仕方ない。
「それでは、疲れているところ申し訳なかったな、帰ってゆっくりしてくれ。正面にはマスコミやら野次馬やらが相当来てるらしいから地下から東支部に抜けるといい。緊急連絡用の通路だから少し狭いが表のマスコミと戦うよりはましだろう」
そういって秘書さんが案内してくれた。
地下道は人が一人が通れるくらいの狭いものだったが整備はされていてすぐに抜ける事が出来た。
東支部は本当に連絡用という感じで小さい事務所であったが、そこには遥香と秋野それに日下部と加藤さんまでが待っていた。
「誠也、せいやー」
遥香がこちらを見るなり泣きながらとびかかってくる。
大勢の人が何事かとこちらを見るが、遥香はそれどころでは無いようだ。全く無防備に飛び込んでくるものだから避けるわけにもいかず受け止める。かなり恥ずかしいが、日下部たちも清成さん達も笑っているがほほえましいものを見るような眼だし、そのほかの人達も気を使ってかあまり見ないようにしてくれているようだ。
しばらくそのままで遥香が落ち着くのを待って離れた。少し恥ずかしそうにしていたがそれ以上に嬉しそうだったので、まぁいいかと思う。
「それじゃ俺達は先に行くな、お前らも気をつけて帰れよ」
「はい、ありがとうございました」
「それはこっちのセリフだ、それじゃあな」
そういって清成さん達は去っていった。
「俺達も帰ろうか、話は明日にでもするからさ」
「御剣雰囲気変わったんちゃうか、一気に大人びて見えるんやけど」
「変わった」
「そうか? 自分では全然わからないが……」
「とりあえず帰りましょう。おなかも空いたし話は明日にでもゆっくり聞きましょう」
「せやな」
そして俺達もギルドを出て歩き出す。
なんだか色々大変になりそうな予感がするが、今は忘れてゆっくり休もうと思った……
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