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『ヒトラーに憑依しました』連載版 作者:零戦
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第五話





――1939年四月、ベルリン総統官邸――


 あれから約四年の月日が経っていた。

「それでスペイン内戦はどうだったかねフリッチュ?」
「総統、結果としましては国民戦線軍が勝利しました」
「それは分かっているよフリッチュ。私が聞きたいのは兵器の性能はどうだったかだ」
「……失礼しました総統。てっきり私は内戦の結果だと思いまして……」
「気にする事ではない。それで性能はどうだった?」

 俺は改めてフリッチュに聞いた。
「率直に言いますと……上々です」
「ふむ、今回は海軍は参加出来なかったから海軍は無理だが……まずは陸軍から報告を聞こう」

 俺の言葉にフリッチュは報告書を出した。

「陸軍ですが、戦車部隊はかなりの戦果を上げています。ソ連製のT-26軽歩兵戦車、BT快速戦車を合わせて百二十七両を撃破して二九両を捕獲しました」
「損害は?」
「一号戦車C型二八両、89y戦車八両が撃破されました」
「両戦車とも装甲は薄いからな。仕方ないだろうな」

 そしてゲーリングが一歩前に出た。

「空軍ですが、メッサー社のBf109は非常に優秀です。ソ連製の戦闘機I-16を一蹴しています」

 メッサー社が威信をかけて開発したBf109B型は航続距離を千六百キロにまで延ばし、コンドル軍団を送る際にドイツからスペインの国民戦線軍飛行基地まで無給油で飛行して空軍関係者を改めて驚かせたのである。
 そうそう、チェコスロヴァキアは史実通り崩壊している。
 俺としてはそんなのする気はなかったが、俺の中にいる欲求は許さなかった。
 史実通りに俺はズデーテン地方の併合を要求し、それに乗るかの形でポーランドもテッシェンを併合した。
 ミュンヘン会談でイギリスのチェンバレンとフランスのダラディエ首相はズデーテン地方の併合を認めた。
 矛先をソ連に向けようとしてそうだよな。まぁその前年等にも石炭と鉄の産地であるザール地方とオーストリアを併合しているからな。そしてスロバキアは史実通りにスロバキア共和国の名でドイツの傀儡政権となってチェコはベーメン・メーレン保護領としてドイツの支配下になっている。
 俺はスロバキアの各政党の党首と会談してスロバキアを傀儡政権にしたのは一定期間であり、ソ連の赤化を食い止めるものによると説明を何回もしたが政党の殆どは信用せず地下に潜っている。
 幸いなのはスロバキアの傀儡政権発足時に俺が現地入りして演説で政党とは違い、住民はある程度の理解をしてくれてそこまで反独感情にならなかった事だな。

「それで……どうしましたか総統?」
「いやなに、最近働き過ぎたから少し寝不足なものでな」

 イタリアのムッソリーニと会談したりしてドイツの戦車を売る商談していたからな。

「それはいけません。総統はドイツの宝なのですぞ」

 ボルマンがそう言ってきた。

「そうです。シュペーアに陸海空の部品統一規格をしたり軍需工場の拡大をしてくれたりとドイツの発展を尽くしてくれたのです」

 シュペーアに言って部品の統一規格をしたり軍需工場の増設を命令していたので高級将校達には意外と好印象だったらしい。

「総統、女性秘書を雇ってはどうでしょうか? 総統の負担も減らせます。何よりも我々の目の保養にもなります」
「最後のはお前らの本音だろうがッ!!」

 思わず怒鳴るが問題は無いと思う。てかこいつら、漫画を見させてから少し可笑しくなってるよな。

「まぁ女性秘書については後程私が決める。退室していいぞ。それとヒムラーを呼んでくれ」

 ゲーリング達が出て代わりにヒムラーが総統室に入室した。

「どうだヒムラー。ユダヤ人の移送は?」
「は、ある程度の人数はエルサレムに入ってますが現地人と問題が起きているようです」

 突如、ユダヤ人の解放及びエルサレムを目指して新国家樹立をしろと言われたユダヤ人達は当初は俺の方向転換にかなり焦っていたが、世界に散らばるユダヤ人に連絡をして世界各国から援助を貰ってエルサレム入りをしていた。
 俺は声明で「ユダヤ人を離散させたのは当時の古代ローマ帝国にも一因がある」としてイタリアに少なからずの援助を要請した。
 この要請にムッソリーニは消極的だったが、ドイツの戦車を売却する事で合意してユダヤ人の援助を開始した。
 これに反発したのはエルサレムに古くから住んでいるパレスチナ人やアラブ人が猛反発をした。
 矛先が一時期俺に向いたが、俺は「エルサレムを目指せと言ったのは私だが、支援をしたのはイタリアやアメリカであり私は直接関係無い」と苦しい言い訳をしておいた。
 まぁ積極的に支援していたのがイタリアとアメリカだしな。
 何とか矛先は二国に向けておいた。

「そうか、御苦労だった。引き続き頼む」
「ハイル・ヒトラーッ!!」

 ヒムラーはそう言って退室した。さて、後一人呼ぶか。

「レーダーを呼んでくれ」

 五分程でレーダーが入室してきた。

「お呼びですか総統?」
「レーダー、海軍の再建はどうだ?」
「は、日本からの軍艦売却等により粗方数は揃っています。乗組員達も訓練訓練又訓練をしている状況です」

 あれから日本は輝義が言っていたように龍驤と小型空母二隻、若竹型駆逐艦八隻、峯風型駆逐艦六隻、装甲巡洋艦八雲を売却してくれた。
 駆逐艦は旧式であったが、此方で改装して戦列化している。
 それにドイツ海軍の全隻は練習艦として乗組員の編成に大忙しだった。他にも海軍航空隊を創設して空軍からはBf109とJu87シュトゥーカがパイロットもろとも譲渡されていた。
 空軍大臣のゲーリングは当初は渋っていたが、何とか譲渡させた。まぁ空母飛行隊でも混乱が起きそうだな。
 日本が早く流星を作れたら此方もライセンス生産でもしてみるかな。

「これも閣下のお力のお陰であります」
「私はそこまでしてないよレーダー。君達の努力の賜物だよ」

 俺を褒めようとするレーダーにそう言っておいた。調子に乗ったら身を滅ぼしかねないからな。

「そろそろ休憩にするか。レーダーもお茶を飲むかね?」
「頂きます」

 日本に行ったレーダーやゲーリング達は意外と日本にハマっていたりする。
 特にゲーリングは太っている事も考慮して魚料理の割合を増やしているらしい。
 ……明らかに俺が原因ですね、分かります。
 そして俺はレーダーと午後に一息を過ごすのであった。







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