↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/46

碧 青花と言う存在について。

 青花達は昼食がまだだったらしく、お腹がもうペコペコ状態だった為、私はデリバリーでピザをとった。


 施設の料理は美味しかったけれど、ジャンクフードを食べる期会が無かったので、


 みんなは、無人島に漂流している人間が浜辺に大量の漂流物の食糧を発見し大騒ぎするみたく騒いで貪っていた。想像以上に嬉しそうな各々の顔に、自分の物を買った時では満たされない気持ちが私の中に湧いてきた。




 ピザを食べ終わり、みんな満足したようにそれぞれ部屋の中でくつろいでいる。


 取敢えず、部屋の割り振りとお金ね。


 私の部屋とそれ以外を含め、八つの部屋が現状あって、それは最早、このタワーマンションの最上層のほとんどなのだけれど、どういう割り振りがいいかしら?




 1私、火蘭君、ヨゼ 2青花 来螺 3フレア 凛凛 4ケバルライ プリオル& テリオル 5災人 錬徒 6幽美ちゃん 7果手那 8予備




 こんな感じかしら?青花と来螺は一緒でも特に問題は無さそうだし、むしろ問題が起きてくれた方が見守ってる私達として……(それはまた別の話)二人がセットだと計画と実行みたいに何かとパワフルだしね!


 幽美ちゃんはご令嬢だから実費でも一人部屋が良いと言いそうだし、果手那はいつもみんなから離れていたから相部屋はちょっとね……(仲は悪く無かったけれど)


 というか、果手那も探さなきゃ、電話は通じないけれど、既読はつくのよね。悪い子では無いから私は心配はそこまでしてないけれど。でも、底が見えない子だから何をしでかすか要注意なのは間違いないわね。


 予備に関しては、アルハグ&サビクか、あり得ないけれど先生か、もしくはイレギュラーとして確保しておきましょ。


 例えば、この騒動を聞きつけて、施設を卒業した私の先輩にあたる人達がやってきても何ら不思議ではないし。異形霊媒探偵とか他の何かへと、もうそれぞれの道を歩んでいるから本当にあり得ないと思うけれど。


 これで、部屋割りはオッケーね。


 後は、お金か。


 私は青花を手招きして、二人で部屋の外へ出た。


「どしたのレシカ?」


 眼鏡の中の瞳がきょとんとしている。眼鏡でカモフラージュしているけれど、意外と漫画チックな顔なのよね。あと、能力は物凄くこの子らしいって思う。


「ええ、ちょっと相談したい事があってね」


「何かしら?鏡にキスしちゃう謎行為がまだ治らないとか?」


 青花は悪戯っぽく笑って、ふふふっと口を押さえた。


「それ、ホントに誰にも言わないでね?私から言ったのあなただけなんだから」


 私は両手で青花の頬をピッと摘まむ。


「はいはい。ごめんなさーい。でも、私にだけってのが最高に嬉しいわよね。代わりに私が教えた話はちょっと暗かったのはごめんだけど……」


 覚えている。私が色々悩んでどうしようも無い時、青花は声をかけてきてくれたのだ。でも、私は誰にも話せないと頑なに拒んだ。その時、じゃあ秘密を交換っこしよ?と優しく言ってくれたのだ。


 そして、聞いた青花の秘密。


 彼女の育った街は、まだ彼女が幼い時に、魔の蔓延る何処かの異界に完全に喰われてしまったのだ。そして、何もかも失い命からがら能力を使い逃げ出したらしい。


 ここまでは、クラスメイトならみんな知っている。


 だけれど……ここに秘密があって、逃げ出すその時、いきなり上級以上に匹敵するぐらいの尋常では無いレベルのデーモンが三体現れ、絶対絶命と思いきや。なんと、青花に跪いたらしい……


 デーモンとは、まずそのような事をする存在達では決してない。


 跪くことがほぼないだろうし、それが人間に対してというのがさらにあり得ないのだ。


 その瞬間、青花は生まれる前の古い記憶、即ち前世的な光景を視たらしく、それがなんとも言い難い光景だったらしい……


 いつも、気丈に振舞う彼女は、人一倍の悲しみと自身への得体の知れない不安を背負っているのだ。


「それでも、あなたは、自分を見失わず周りに尽くして生きているじゃない。私はそんなあなたを心から尊敬しているわよ」


 私は素直な言葉を吐いた。こんな事をしっかり言えるように育てたから、あの施設に入って良かったかもしれない。


「……あなたが男の子なら、惚れちゃうかもね。ふふっ」


 青花が笑い、私も笑った。


 ……


「そうそう、相談なんだけれど、お金を送る配分を決めたくてね。あなたと来螺は


六百万ずつ、他は三百万でいいかな?ヨゼと火蘭君には一千万ずつ送ったんだけれど、そのペースで配分したら、ママから貰った一億円が全部尽きちゃうから」


「ぱーーーーーー」


 青花は変な声を上げた。確か、施設から貰うお小遣いが月五千円だから、分からないでもないけれど。


「大丈夫、青花?」


「ごめんなさい。ハリウッドスケールで頭の処理が追いつかなかったわ」


 ハリウッドスケールでは無いと思うけれど。


「で、どう?」


「うーん……正直、滅茶苦茶である気はするわね……私達の年齢や、ましてや年下組の子達には良い影響を与えないだろうし……」


「やっぱりそうよね……」


「でも、さらに正直な所、今までの生活を考えれば、みんなは天の恵みのように喜ぶでしょうね。そのお小遣いがあれば、まさしく一生忘れられない最高の修学旅行になると思うわ。それに、あなた達何かまだ隠してるでしょ?その問題を解決するまでの資金としては必要かもしれないし……自分のお金では無いからちょっと厚かましい考えかもだけど」


 鋭いわね……


 やっぱにこの子に相談すると、問題がクリアになるわ。


 一度、双児のゾディアックサイン、ジェミニと会わせたいわ。あの知恵の子達も「面白い子だねって」喜ぶと思うから。


 でも、よく考えれば、ヨゼが開いてしまった転移魔術もジェミニ達なら、その場で書き換えて解除できるかも……!


「うん、ごめんね、後でちゃんと話すから。それと、厚かましいなんて絶対そんなこと無いわ。私もう決めた。さっき言った通りにお金配分する!」


「そう……わかったわ。結局はあなたが納得すればそれでいいと思うのよ。私も、みんながちゃんと生活できるように最善を尽くして協力するから安心してね。本当にありがとうねレシカ」


「よろしくお願いね青花、本当に大好きよ」


 私はきゅっと彼女を抱き締めた。




 その時――


 ピコン。


 スマホに通知が来た。


 ん?


 錬徒:(夕方には着くよーん!晩御飯よろしくー!)


 よし!


 もう一件来てたわ。


 幽美:(あと、数時間で着きますレシカ様、アイラビュー×100をあなたに送ります♡きゃはは。受け取って下さいね♡)


 ふふっ、重いわね。


 


 私はメッセージの内容を青花に伝えて、こう言った。


「晩御飯の買い物行きましょうか?」


 青花は満面の笑みになった。この子は生活的な行動が大好きで大得意だ。


 施設のお掃除作業に関しては先生の称号を上層部公認で貰っていた程にみんなからその才能を尊敬されていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。