第38話「闇より囁く声」
「あぁ…どうしよ、2人共どこいったんだか…」
江崎はアニメ同好会部室の椅子に座り携帯端末型魔力探知機を使い真姫と豚崎の2人を探す。
「んーー2人の魔力らしきものがこの近辺に反応してはいるんだけど…」どうもそこに飛ばした魔道ドローンからのカメラにそれらしき2人は見当たらなかった。
「おかしい…」
江崎は立ち上がり魔道具をカバンにしまい準備し「ここで考えても仕方ない。行くか!」
そして現地へ向かった。
一方、2人は…ー
「ぐぅ!!!」
巨人3体の連携攻撃に豚崎は苦戦している。
当然だ。
豚崎:オーク態よりも図体がひも回りかふた周りもでかいのが3体もいるんだ。
しかも武器を持っている。
リンチよりエグい。
真姫はとても戦える状況ではない。
絶体絶命…。
「早くしないとあのオーク。死ぬよ?」
わかってる……
けど、動けないの。
「まだ生きてるじゃないか、僕と違って」
そういう問題じゃ……
「怖いだけだろ?あの大きな怪物と戦うのが」
そんなに言うなら直してよ!私の身体を!
見ればわかるでしょ……?こんな傷だらけで手足の骨が折れてるの! 動けないの!
わかってるんでしょ!?
……どうして、ここまで私を苦しめるの……。
「…僕が苦しくても助けなかったくせに……」
身に覚えのないどころか精神世界でしか見た子のないはずの少年のその言葉に真姫は「え?」と困惑した。
「何でもない。もういい。」身体、貸して。
まるでゲームのコントローラーを奪うように真姫の意識を乗っ取った。
選手交代。 すると真姫の身体は完治し真姫、改め少年A(仮称)はその姿を黒く染め上がったドレスに身を纏った。
ステッキの形状が変化しまるで剣のような姿に代わり色も白から黒に変わった。
刀身と鞘の間にステッキの水晶がありその中身が雪の中に佇む少年に切り替わった。
見た目は黒いドレスを身に纏った真姫。
中身は真姫の精神世界にいた少年A。
禍々しいオーラを放った真姫:少年A憑依体を豚崎を見て「真姫………ちゃん?どうし…………」
豚崎の心配を他所に3体の巨人へ1刹那で辿り着き間も無く斬り込む。
巨人の攻撃をすらっと避け余裕の表情で全てかわし人知を超えた動きで巨人たちを圧倒する真姫に豚崎はあれは真姫ではないと感覚的に察した。
「だとしたら誰が動かしている?」豚崎に疑問が出来た。
その疑問を解くためにも真姫の中にいるであろう者に近づく必要がある。
応戦しつつ探ろう。
そして真姫と巨人たちの元へ近づくが真姫(少年A)の振り下ろす剣の剣圧が台風の如く風を一振り事に起こすため近づくどころか状況がわからない。
だが一瞬見える台風の中では紅く光る強い殺気を帯びた目をした美しくおぞましく舞う黒い蝶が巨人に一切の攻撃をさせない構図が見えた。




