第39話「少年A」
暗闇の中、さらに奥の闇。
私は檻の中に閉じ込められた。
私は彼(少年A)が見てる視点をテレビのようにただ見つめるだけ、傍観者。
そこから見た景色は自分じゃない自分が巨大な怪物をサンドバッグでもなぶるように切り裂いてる。
でも、それに関して真姫は何も思わなかった。
自我が暴走した訳ではなく、彼が私の代わりに怪物を倒してくれている。
私が戦えないから代わりに仕方なく。
でもそれでも良かった。
大切な人たちを守れるならなんでも良かったからだ。
自分が傷つき身を滅ぼすよりずっとマシだった。
彼は3体の巨大な怪物に 斬、斬、斬。と剣を振り下ろす。
お前らがいたせいで苦しかった。辛かった。
お前らが青春してる時に………は、ずっと辛い目にあってた。
許せない……許さない!
お前らに幸福などいらないお前らなんか不幸に死ね!
攻撃が激しくなる。
本来なら全員一撃で倒せるが、彼は死なない程度に怪物たちを弄ぶように斬っていた。
簡単には死なせない、四肢をもいで人間態へ戻してからさらに痛めつけ………お前らにされたことを倍にして返してやる。
彼の声は私にしか聞こえない。
心の声だから当然だ。私は私の心の中に閉じ込められている。
彼によって。
何の話だろう…。
誰の話なんだろう…。
私には中3からの記憶が無い。高一の記憶すら危うい。
たまになにかフラッシュバックすることはあるけど何かは自分でも分かっていない。
あぁぁぁぁぁ!!!!!
もういい!死ね!消し飛べ!お前らなんか消えてなくなれ!!!
少年Aは剣型ステッキの水晶体に魔力を極限まで溜め込み剣先に禍々しくおぞましい魔力。
それはそれは恐ろしく強力な魔力。
その強力な魔力を振り下ろす。
そして巨大な怪物たちは消し飛び、町も半壊した。
「……っ!」町まで……人がいるかもしれないのに……。
ここは一応住宅街でもある。
川沿いであるが住宅街。
恐らく人はいる。ボロ屋の集まりでも人は住んでいる。
はずだった。
真姫は彼の視点から家を見る。そして驚く
「誰も…いない」
壊れた家を何件も見た。だが人なんてどこにもいなかった。それ以前にこんな真夜中にこんな暴れ回れば普通人が集まるはずだ。
なのにそれが無かった。
家の中には人どころか何もいなかった。何も無かった。空っぽ。
ただのハリボテだった。
真姫はここが何なのか検討もつかなかった。
そして豚崎はここがなんなのかやっと理解した。 「戻ってきてたのか…」真姫ちゃんも連れて……。
その一瞬で荒地と化し巨人たちの残りカスが舞う。
その中心に黒いドレスを身に纏う少女の姿をした悪魔が鋭い眼光でバケモノのように叫んでいた。
あぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!




