第36話「どこへ行ったの?」
早く……もっと早く……速く!!!!!
上手くいかない苛立ちと早く助けに行って安否を確認したいという焦りが真姫を襲う。
魔力が上手く出ない為、スピードが出ない。そのため真姫はうまく走れない。
屋根から屋根へ移動する。何度こけかけたかは分からない。何度も何度も。屋根へ屋根へ。
また、次の屋根へ飛ぼうとするも魔力が抜け真姫は屋根から落ちた。
落ちた先は、幸いにも人気のないところだった。
住宅街の端、川沿いの場所。
古い見た目の言えが立ち並ぶ。
道路を挟み煉瓦上のブロック塀が並ぶ、そちら側にも言えが立ち並ぶ。
その先が川だ。
真姫は真ん中、道路に落ちた。先の屋根から落ちたら川へドボンだった。
深い川なので確実溺れる。
なので、助かった。
「痛っ……」
魔法衣の防御機能も、治癒機能も死んでいた。
仕方なく変身解除し、起き上がる。
「なんか……ここ…嫌だ……嫌……嫌!!」
頭がおかしくなりそうだった。
苦しかった。 思い出したくないものを思い出しそうになる。
早く離れたい。早く離れたい。早く離れたい。
早く離れたい。早く離れたい。早く離れたい。
早く離れたい。早く離れたい。早く離れたい。
「あっれぇ?桃乃木じゃね?ウケルんですけど!?」
後ろから、声がした。凄く不快な声が…
ガラの悪そうな女子高生3人のリーダー格の子が真姫を呼ぶ。
「おーい!桃乃木ー!!」
真姫はすぐに察し、耳を伏せた。
(これ以上おかしくしないで!)
様々な恐怖が精神を締め付ける。
だが、それがどこから来るものなのか、全く分からない。ただ、不快。
「いや、違うじゃんか絵梨っちーあいつは………」嫌な予感がした。
この一瞬で真姫には次の言葉が見えた。
なぜかなんて分からない。
だけど、分かる。わかるんだから仕方ない。
嫌だ嫌だ嫌だ!聞きたくない!言うな!
「マグロ女」
……………………っ!!!!!!!!!
「そ、………その名前で……呼ばっない……で!!!」
3人のうちの1人が「あーやっぱりそうじゃん桃乃木じゃーん」とあとのふたりに言う。
その後「久しぶりー」
真姫に言う。
真姫は震える。何も出来ない。
すると、リーダー格の子が真姫に近づいてきて「あんた、前から変わらないね…震えるだけで何もしない、やめてー!って抵抗もしない、かと思ったら私達がいない所でこそこそ何か企んでる…気持ち悪い…本当キモイんだよ!」
そう言って動けない真姫の腹を思いっきり蹴った。
何度も何度も。
それでも真姫は何も言わない。
違う言えないのだ。
恐怖で声が出せない。
「動けなくしたのあんただろ!声が出ないのはお前が酷いことしたからだ!って思ってるよねマグロ女」
お願いやめて、君だけはそんな事……言わないで…。
「で、どうするの?この状況」あの子だ。
そんな事言われても、分からない。
怖くて動けない。なぜだか分からないけど。
「少しは誰かを信用したら良いのに」
私は誰かを頼って生きていい人間じゃないの!
「何それ、馬鹿みたい。だからぼっちだったんだよ」
別にいいの、私といても何もいいことなんてないんだから
「そんな事言っていいんだ、へー。豚さん達可哀想君のことあんなに大切に思ってくれてるのに」
でも、実際…いいこと起きてないじゃん…
「それは今…でしょ?」
………。
「気づいてないの?君、少しは変わってるんだよ?」
え?
「本当1ミリ程度だけどね、信じてみれば良いのに…あの豚さん達なら信用できるんじゃない?それとも雑魚だと思って信用してないの?」
そんな事ないっ!
「じゃあ、心で念じてみなよ…助けを求めて見なよ」
わかった。
言われるがままに念じる。
この状況、皆のこと
1人じゃ難しいこともあるのかも知れない…
だから………
豚崎さん…助けて…っ!
轟音と共がなり空中からドンっ!と言う音を立て道路に大きなヒビを割り、真姫の前に豚崎が現れた。
「見つけたよ…真姫ちゃん!」
退く、3人。
豚崎は真姫を後ろにやり
「ここは何とかするから、後で事情諸々聞くからね」
真姫は頷く。感謝を込めて泣きながら




