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魔法少女はオタサーの姫。  作者: 大福
桃乃木真姫17歳(オタサーの姫)=魔法少女編
34/44

第33話「雄々しき姿」

「真姫ちゃん!無事か!!」

どこかで聞き覚えのある声がした。

いつもの聞きなれた声、汗の匂い。

そう、彼は…「豚崎さん!?」

真姫は驚く。

だが、豚崎はなにかおかしかった。

いつもとは雰囲気が違った。

どこかたくましく見えた。雄々しくて彼なら霧ヶ峰を倒せるかもしれない…そう思った。

けど、豚崎にそれをする気はない。

ただ真姫を助けに来た、それだけだ。


「…いい、2人とも僕に捕まるんだ、そして目を瞑るんだ」 いいね?

江崎はそれに従い豚崎の両腕に捕まり目を瞑った。真姫は両腕が使えないので豚崎が真姫を片腕で抱く。

「…いくよ…」

豚崎はオーク化し脚部に最大限の力を降り注ぐ、その後勢いよく飛ぶ。

天井を突き抜け2階、3階と突き抜ける。それもものの数秒で突き抜けた。

屋上に飛び上がり、一旦そこに脚をつける。

「豚田さん達は? それに漆原くんは?どこ」

真姫は後の四人の安否を気にかける。

いつもなら豚崎四人は一緒にいる。なのに、いない。

最近では漆原もその中にいる。

なぜ?

そんな疑問が真姫の脳裏を駆け巡っていた。

「……分からない…僕にも…」

豚崎は目を逸らし、真姫の心配を他所にそう答えた。

分からない?どういう事?

「め、珍しいですね…ひとりでいる…なんて」

豚崎は目を右に逸らしてぼそっと「あの時も1人だったろ…」そう真姫に聴こえないように言った。

「…そうでしたね、そう言えば」

だが、真姫には聞こえていた。

あの時…つまり、魔法少女になった日。

部活の四人、豚崎達は漆原に人質に捕えられていた。あの時。

豚崎だけは何とかそこから逃げ出したあの日。

あの時も豚崎は真姫を助けに来た。

「でも、今回は違う…から、皆を見捨てない…まだ場所はわからない…けど、必ず助ける」

真姫の手をそっと握る。

豚崎は「同士だからね」真姫を安心させる為、震える自分を抑えるために豚崎は真姫に笑って見せた。

「…ありがとう」

真姫も笑って見せた。


「2人とも、水を刺して悪いんだけど、豚崎さん?だっけ?他の人…あと漆原くんの居場所が分からないって言ってたけど、どうやって探すつもりなの?あと、どうやって私たちの居場所が分かったの?」

江崎はそう言った。

「皆、僕も含めてあの黒髪ロングの…背の高い方の人に黒い霧を浴びせられた。その後はみんな、バラバラになった。僕と同じだったなら皆黒い霧の中をさ迷っている」

そして、2人の居場所がわかった理由。

「あと2人の居場所は真姫ちゃんのステッキによるものだ…」

真姫は今ステッキを持てる状況ではないので江崎が持っている。

ステッキの中の大柄の4人の1人の像が光る。

恐らく豚崎だろう。

「なんだろう…」江崎はそれを見て不思議に思った。

それと連動するように、豚崎が光り出す。


かん、かん、かん

階段を駆け上がってくる音がする。

「おい、いるのはわかってるからな!」

花織が、追ってきた。

「まずい、この状況でも多分まずい、豚崎さんの魔力量は人より少したいくらい…それでは

アイツにも勝てない」

「そう…だね、彼女のスピードはかなりのものだった…あの一瞬でわかった、結構ぎりぎりだったしね、僕の種族、オーク族は見た目通りのパワー型だ、スピードなんてほぼ皆無だ…」

江崎と豚崎は話し合う。

そして、すぐに豚崎は真姫を抱え江崎を腕に掴ませ早急にその場を去った。

バンっ!

ドアを勢いよくあける。

「くそっ…逃げられたか」

花織は3人を見失った。

そこへ霧ヶ峰もそこへやって来た。

「今日はもういいの、泳がせとけばいい」

「でも、今やっとかなきゃあとあとまずいんでしょ?」

花織の心配を他所に霧ヶ峰は余裕の笑を浮かべた。

「残りの者を探しに行ったみたいだけど、無駄よ?だって彼らは私の中にいるんだもの…今日はあとで用事があるからあなた達を撤退させてあげるために1人だけ逃がして挙げただけ…」

霧ヶ峰は黒い九尾のような尻尾を出し、全身から黒い霧を発生させこう言った。

「次あった時が、あなた達の死ぬ時……ふふふ 」

黒く艶やかなその尻尾は確かに黒狐の尻尾だった。

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