第30話「パンドラの箱」
「きゃああああ!」
右肩が割るように皮膚が裂ける。
大量の血が溢れる。
そこに追い打ちをかけるように黒狐の右ストレートが真姫溝にはいる。
真姫はその場に倒れる。「まきちゃん!!」江崎はすぐさま真姫に駆け寄り真姫の傷口に治癒魔法を唱える。
「これは簡易的な治癒魔法に過ぎない、気休め程度だけどこれで我慢してね後で完治させてあげるから」そう言い立ち上がった江崎は真姫を壁に寄せる。「後は私がやるから」バッグから魔術詠唱用絡繰箱、通称’パンドラの箱'を取り出す。
パンドラの箱の形状は四角、だが引き出しが6箇所あり四方に一つづつ引き出しがあり残り二つは上に2つ引き出しがある。下は魔力貯蔵庫になっている。
江崎はパンドラの箱を手に乗せる。
そして下の部分、魔力貯蔵庫に直接手から魔力を送る。
そして、引き出しを全て開ける。
そうすることで、魔力を外に放ち使用者の半径10m圏内を魔力結界を張ることで結界の中は使用者のテリトリーとなり周りのものから魔法を発動できる。
上級者が使うと結界の中の人間の動きを止めることも出来る。
使用者によって一瞬で標的を消し去ることも可能。
だが、私にはそこまでの術は不可能。
けどやるだけの事はやらないといけない。
真姫ちゃんを…友達を守る為にも、なんとなしないと!
結界は貼り終わった。この廃ビルには丁度瓦礫がいっぱいある。
このぐらいなら動かせる…はずだ。
あとは壁やら床やらから魔力砲ぐらいしか出せない。
動きを止められたら良かったんだけど…
江崎が策を練っている隙を狙い黒狐が江崎に猛突進して来る。
ので、それを魔力砲で撃つ。すると黒狐はそれをもろにくらうが魔力砲は大した攻撃ではない、出来て牽制ぐらいなもので気休め程度の攻撃。
つまり、この空間の中では牽制は出来てもこちらが攻めに入れない。
そもそも、教会の人間の魔力なんてたかが知れてる。
牽制、防御、治癒、応援、攻撃をすることが出来ない。なので魔法少女との契約が必要。
なお、霧ヶ峰は別とする。
江崎は黒狐の攻撃を避けては魔力砲を黒狐の死角から放ち、壁から床から撃ちまくる。
なんとか攻撃を試みようと角材を浮き上がらせ投げつけるも黒狐はそれを片手で握りつぶす。
真姫は壁をつたい立ち上がり江崎が黒狐に防戦一方の様を見てなんとかしなければ、とひび割れたステッキを握りしめ「行かなくちゃ」
助けなくちゃ、友達が危険な目にあってるんだから!
真姫の傷は表面上は治っているように見える。右肩のヒビは消えている。だが傷が治っている訳では無い。
みぞおちも痛みはないが肺に骨が刺さっている。
呼吸しているのでいっぱいいっぱいの筈だ。
だが、真姫はひゅーひゅー言いながらも黒狐目掛けて魔力砲をショットガンのように放った。




