第22話「黒狐のたわわ」
ここは、どこだ?
本当に渋谷のスクランブル交差点か?
「ちげーよ、パラレルワールドってやつかな」
パラレルワールド?なんだそれは?
「なんだか、知らんが……まぁ良いわ」
だが、漆原は黒狐に親切に教える。
「仕方ないな、パラレルワールドってのはなぁ俺達が元いた世界によく似たと言うか全く同じ姿をした別の世界だ」
くっ…こいつ、ばかにしておるな?
「言わんでいいと言っておるのに……っ!」
「老人には親切に…これが俺のモットーなんでな」
何言ってるんだコイツ…そんなちゃらい格好して、何をふざけたこと抜かしておるのじゃ…。
「……そんなのはどうでも良い、それよりも…見覚えのある連中がおる気がするが気のせいか?」
さっきあったばかりなんだ、忘れるわけない。
あの見た目を忘れるわけないじゃろ…
随分と大柄な連中だし、会話もしていたしな。
「で、誰だこやつらは」
不敵な笑みを浮かべる漆原、何を考えてるのかわからないその表情を見るに早くこの場から去らねば、なんて発想に出てしまった。
だが、それは漆原のその不敵な笑みだけではなくこの状況はあたしにとってかなり分が悪い、そう判断したからだ。
なぜなら、霧ヶ峰とおよそ同レベルの奴と下級種族4体。
漆原は当然手強い相手だとしても、下級種族が4体、下級種族と言えど体格はそっちの方があたしよりも上しかもそれが4体だ。
ま、まぁそんな下級種族などに負けるあたしではないが…。
それをカバーしてくると思われるのが、漆原だろうからそれが厄介だ。
恐らく漆原の策略はあたしを囲い下級種族、オークたちであたしを袋叩きにしあたしが抵抗してる隙に漆原があたしを倒すと言う策だろう。
「にっ…」
あっ、またこやつ、笑いおったな…この糞ガキ
いや、待てよ?
そんな単純な作戦立てるわけないよな…
だとしたら何だ?
でも、あたしを囲んで、何かするのは当たっていると思う。
だが、何をしようとしているのかは分からない。
あたしを囲んでオークたちが魔法陣を作りあたし拘束して身動きが取れない状態のところを攻撃?
あっ、拷問か? 霧ヶ峰の情報を欲しがってたもんな…
でも、霧ヶ峰は魔法なんて使えなかったし、こんなオークが魔力持ってるわけないしなぁ…。
「拷問ってところはあってるぜ?」笑いながら答える漆原。
拷問だけあってる?だと?
じ、じゃあ魔法が使えるって言うのか?
まさか、霧ヶ峰よりも上の人間なのか?
あたしがそうやって漆原の思考を読もうとしていると、漆原が探りをいれてきた。
「あーそう言えば、霧ヶ峰の場所分かったかも、あーそうだそうだった…」
何を急に言い出す、バレバレすぎるハッタリだ笑えるよ
それで答えるとでも思っているのか?
それと、オーク共はなぜ笑ってだべっているんだ!
そんなにあたしが滑稽か?
なんだなんだ!
まさか、本当に知ってるのか?
だが、バレるはずもない、だって、この近くなんだ…こいつらはもっと山奥に住んでると思ってんだからな…。
「まぁまぁそんな焦んなさんなって、冗談だよ冗談、でも、この近くの気するなぁー確かに」
なっ!「誰が焦るか!」
この野郎…っ!
だがまずい、この近くって曖昧な感じだが全部しらみつぶしされてバレでもしたら…あたしがあいつに殺されちまう。
また霧ヶ峰の見えない攻撃を喰らうことになる。
次は死ぬかもしれないんだ。
「あーそうかそうか、それだなぁー」
地面に座り爆笑しながら一人納得してる漆原、なにが分かったんだよ!
まさか、あたしの心の声が聞こえてるとかじゃないよな…
オークたちは漆原が爆笑してるのとはまた別の笑いをしてる気がしたが、オーク共はずっとなにか喋っている。
すると漆原が「ハッハッハ、早く気づけよボケハッハッハ……全部聞こえてんだよ、こころの声なのにお前はベラベラと喋ってやがる…なんて滑稽なんだ!何年生きてんだよてめぇーハッハッハ!」
クソッ!
何も言い返せない、何年生きてんだよって言葉、あたしにあるような言葉じゃないか…?
だが、ここで、全滅差せれば関係ないわい!
先にオークを、殺ればいい。
「んーぎぃぎぃぎぃ!」
あたしの変身はこう、はお食いしばりぎぃぎぃ言って身体をりきませる。
すると、体から耳やら5、6本はある尻尾そして服装はあたしのおおきく素晴らしい乳房が露になり乳頭だけ隠すように黒い巫女衣装を纏う。
武器は、鋭く伸縮自在の爪。
「ウルヴァリンかよてめー」
うっさい!黙っとれ!
まぁ良いわ!あたしの黒狐としての姿はそんな所じゃわい。
「へぇーにしても本当、いいおっぱいだわ、触らせてくんない?ってかずらせば乳首見れるよな」
楽しそうに中学生見たいにはしゃいどるぞ、このガキ
「そんなに触りたきゃあたしを倒せばよかろう?そうすれば、煮るなり約形好きにしろ」
あたしは自慢の乳房を褒められてつい調子に乗ったのかそんな強気なことを言ってしまった。
漆原はそれを聞き火がついたのか、下級種族たちに「良しお前らにも褒美をやる。だから…、今だ!」
そう言うとあたしの周りにいつの間にか魔法陣が展開されていた。
「…まさか!あの時か!?」
さっき下級種族共がだべっているように見えたが、実際はあたしにそれを気づかせないためのフェイクいや演技か、それでカモフラージュしてそれに加えあたしが下級種族を見ないよう漆原が探るように話してきた。
それが、こいつらの作戦か…。
だが、そんなのはもうどうでも良い、分かったところであたしはそれを消し去るだけ、侮るなよ?人間!!
魔法陣から飛び出し魔法陣の円から抜け出して漆原の方面へ向かうがもしものために距離をとる。
そして、黒狐の黒き羽からなる黒羽弾を漆原に撃ち込む。
が、手からバリアを出しそれを防御。
「牽制か?ビビってんじゃねーぞ?俺を楽しませなよ?今は!!」
凄い興奮してるんだろうなこいつ、笑顔が引きつってる。
せっかくのイケメンが台無しだぞ?と言ってやりたいが、こんな強いやつに舐めた口も叩けないな…。
今さっき、あたしに勝ったらこの身体を好きにしろとか言ったが、よく良く考えればあたし、ただアイツを誘ってるだけじゃないか!?
だって、自分が勝てないと思った相手に自分に勝ったら自分の身体を好きにしていいってつまりやらせてあげるって誘ってるようなものじゃないか!?
しまったなぁ!
別にやられる前に逃げ……れないぞ!?しまったな逃げたら霧ヶ峰に殺されるし逃げなくても漆原に殺される。
あたし、ピンチ?




