第15話「朝まで生会議_1部」
布団から起きる。
そして部屋を見回す。
一人暮らしの部屋。まきが寝てた布団、その隣に机があり横には書斎があった。
台所には、小さい冷蔵庫とレンジ。
そして洗濯物にタンスがある。
趣味らしきものはなく書斎には本が1冊2冊あったくらいで、必要最低限の物しかないその部屋にまきは、一人いた。
「誰の家だろ…」
悪い人なら布団なんか入れないで縛り付けるだろうし、そもそも、部屋にいるだろう。
けど、部屋中見回しても人の気配はない。
部屋を一周し終わり布団に戻ると、ガチャっとドアが開き部屋の主らしき人物が真姫に近づいて来て「あっ、起きた?」
その人物はボロボロの漆原だった。
昨日の治んないんだ…
真姫は返事を返し、ステッキを取り出す。
「…出来るかわかんないけど、治すね、その傷」
漆原はステッキを抑え「やめろ」
そう言ってステッキをしまわせた。
「でも…」
「それはいいから、腹減ってるだろ?」
漆原は袋からおにぎりとお茶を真姫に渡した。
「あ、ありがと」
「テーブルないからそこで食べてくれ」
真姫は布団の上で朝食を食べる。
漆原は袋から弁当とカップ麺を取り出した。
「結構食べるんですね」
「まぁな、少し食べるか?」
「大丈夫だよ」
「遠慮すんなよ?」
う~ん、ほんとは食べたいんだよな~
「んじゃ食べろよ」
全くと少し笑って弁当を差し出した。
その後、漆原はカップ麺にお湯を注ぎに台所へ行く。
その隙に真姫はたらふく弁当のおかずを食べる。
それを台所から見ていた漆原は呆れ顔で、真姫に「お前、見かけのわりによく食うのな」
真姫はそれよりいじらしく食べているところを見られ赤面する。
「こそこそ食うなよ乞食みてーだから」
見ていて気持ち悪りーそう言ってカップ麺を持ってこちらに来た。
真姫がおにぎりを食べ弁当のおかずを食べている。
漆原は、突然「なんで、俺を助けた?」
真姫は、その質問に対し、なんて答えるべきか分からなかった。
あの時は、あの声にしたがって、それで、助けただけだし…
でも、そう言えばそうかもしれないけど、違うと言えば違う。
変わりたいと言うのが強かったから助けたいと思ったからなのだろうか?
まき人身が、自分自身を分かっていないのに他人にそれを言えない…
そう思い、真姫は漆原への答えは「見過ごせなかったから」と言った。
漆原は疑うことなく「ふーん」と言って麺をすすった。
ここの声…聞こえてたかな…
「聞いてない」
今聞いてんじゃん!
「さっきのは聞いてない」
「そうですか、ならいいけど」
それから少し沈黙が続いた。
すると、真姫が「…そう言えば豚さんたち…じゃなくて豚崎さんのこと、どう…なりました?」
漆原は目をそらし「一応言ってみたがどうにも警戒されちまっててな」
「そりゃそうでしょ」
まっとうな突っ込みに漆原は頭を下げた。
_アニメ同好会部室_
「おい、どうする?」豚家が豚崎たちに言う。
皆互いの顔を見合い「どうする?」
「どう、しよ」
「どうするって言ってもな…」
てな感じで、まとまっておらず、漆原との約束の日の今日、漆原が来る前に決めて置かなくてはならないのにも関わらず、未だ決まっていない。
何故なら反対派と賛成派に二手に別れてしまい、決まらなかった。
その後喧嘩になり、現在、微妙な空気が漂っている。
そこに、さらに圧をかける。
「おい、お前ら、答えは出たか?」
漆原がやって来てしまっていた。
まだ、早朝の6時半だと言うのに、朝練に来た生徒もいなければ先生も以内こんな時間に、しかも以下にも遅刻魔感の凄い男が、最悪のタイミングで来てしまった。
だが豚家は、向かい入れた。
その方が漆原の圧ですぐ決まると思ったからだ。
ちなみに豚家は賛成派。
だから豚家的にも都合がいい。
そして、すぐに本題に切り出したのは、豚田だった。彼も賛成派。
後の2人は反対派だ。
「で、う、漆原…さん?に協力する、かだけど…」
「あっ?お前が仕切んなよ、豚田」
豚沢はキレ気味に言うがそれを漆原が睨みつける。
すると、豚沢は「豚田、悪いが豚家に今回は任せよう、あいつはこの部の部長だ。こう言うのは部長がやるべきだ、そうだろ?」
急に明るくなった。
ビビっているのだ。わかりやすく。
手が電動マッサージのように震えているのですぐわかる。
テーブルの下なので分からないが…。
「そ、そうだね、分かった」
豚田はそもそも怒ってはいなかったが納得し豚家に任せた。
「じゃ、じゃあ始めるが…先、反対派の奴、理由を話してくれ」
まずは、豚沢から「確かに漆原…さんが入れば戦力はかなり上がる…が信用は出来ないし、昨日も言ったが、いつ裏切るかなんて分かったもじゃんない」
つぎに豚崎「こいつは、俺らを暴走させ真姫ちゃんを殺そうとしたんだ、それで、オレに真姫ちゃんを……」
豚家はそれぞれ反対派の意見を聞いて「2人の言うことはわかった。が、豚崎俺らが暴走ってなんだよ」
そこに漆原が「あーそうだよお前らを拉致った時にな」
「あっ…だからあの時途中から記憶がなかったのか」
豚家はすぐ思い出し納得した。




