ルーバ・グレタ
「娘は上手くやれるのかしら」
フリージア様の傍仕えを辞めると王女様に伝えた数日後、娘を次の候補に考えてると聞かされた時は驚いた。
フリージア様が戻って来るまでは考える余裕はなかったけど帰ってきた今は少し複雑だ。
下手な人物に任せる事を考えればいい事だ。
だけど。
「娘との時間がまた作れなくなっちゃったな」
娘を産んで2年は一緒に過ごせたけど、その後は夫に任せっきりになってしまった。
夫に似て運動神経や魔法の才能を受け継いで王城勤めになった事には凄く喜んだ。
これで少しは娘と話せる時間も増えるんじゃないかと……。
「全然会えないし話せなかったのよね」
王城で務める兵士たちは城を守る事だけが仕事じゃない。詳しくは知らないが他国に行ったりして、もの凄く大変なんだと仲のいい女性の兵士に聞いたことがある。
【王城勤務に変わって凄く幸せ!あと何年かしたらまた別配置になっちゃうの……
嫌だよグレタさ~ん!】そんな事を言っていた彼女を思い出す。
配置換えでもう王城にいない彼女を思い出し少し笑う。
「心配ばかりもしてられないわね、私も私で頑張って行かなきゃ!」
荷物をまとめ終え、お世話になった部屋を振り返り頭を下げる。
寂しさや心配は簡単には消えてくれない。だけどフリージア様や娘が頑張ってる姿を頭に思い描くと自然と体や心が奮い立つ。
(どうか娘とフリージア様が良き友人になれますように)
次会った時、母親としてあの子達を迎える事を夢見て。扉を開け放つ。




