二千六百三十三夜、ばあばの社会人生活 176 ばあば就職する 176 印刷会社 149
今日は、ばあばの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、ばあばがまだ若かった頃のお話をしようかねえ。
ばあばが就職をした頃のことだけれど……。
──ばあばには、これから始まるという印刷用語の勉強の、その必要性がよく分からなかった。
けれど、写植部門の責任者であるKさんが必要なのだというのだから、必要なのだろうかなあ……と、ばあばは考えることにした……。
それで具体的にはKさんが、ばあばの勉強の時間に各項目に対して一つ一つ簡単な解説をしていく……ということになるのだということだった……。
そして、それに対してばあばは、昨日支給がされているメモ用紙に、自分なりに整理をしていくということが義務付けられているようだった……。
なんか……大変なことになってきてしまったような気がするんだけれどなあ……。
……それからしばらくは、毎日の自習やら講義やらが続いていくことになった……。
Kさんの講義には特徴があった……。
自分自身が興味を持てないことには、深入りしなかった。そして、だいたいのところをさらっと表面をなでるように触れるだけだった。
そしてその講義のなかでも大きな特徴は、写植の講義というよりも、印刷業界のことや写植以外の他の部署のことが多かったということかなあ……。
それに、なぜか版下のことやらデザインや製版のことについて、特に力が入っているように、ばあばには感じられた……。
もちろん、それ自体は有難いことだろうとは思うのだけれどなあ……。
しかし、少しだけだけれど、なんだかしつこ過ぎてメモ帳に書き留めていくのがおっくうになってしまうことが多くなってしまった……。
それに、こんなことを一所懸命に覚えたところで何の役に立つのかなあ……って思えるようなところも多かったように感じている……。
今振り返ってみれば、Iさんの教え方のほうがよほど役に立つような気がするのはどうしてなのだろうか……。
しかし考えてみれば、Kさんが担当しているのは、写植機でも万能機と呼ばれているような機械なのだしね……。
ばあばが担当するのは、本文関係のひたすら文字を拾い続けていくような目的の機械なのだしなあ……。
もともとが使用目的が違う機械のことなのだから……。
Kさんは、ばあばが使うことになる機械のことをよく知らないのだろうか……などと考えてしまったことは内緒なのだけれどねえ……。
でもまあ……印刷業の一般的なことをみっちりと教えてもらえたということは、今後にも多少は役に立つのかなあ……と、ばあばは考えることにしようかな……。
かなり長くかかってしまったのだけれど、これでようやくKさんからの印刷業界の講義が終わることになりそうだ……。
正直……ばあばにとってはすごく嬉しかった……。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




