二千六百二十二夜、じいじの高校生生活 1240 三年生 195 三学期から 14
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
「──……じゃあ、そこを右に入って8の字コースで一度停めて……。」
じいじがおとなしくその指示通りにして8の字コースの中で車を止めると、先生は突然ドアを開けて車の外へと出ていきながら言い放った……。
「……これから、この教習時間が終わるまでの間は、バック走行でこの8の字コースを練習のために周回をしていなさい……。」
そう言い残して、その先生はさっさとコースの外の方へと歩いて出て行ってしまった。
そして、たまたま他の人の教習指導のために通りかかって、教習車を止めて話しかけてきた他の先生と雑談?を交わしていた。
じいじがその雑談の内容で聞こえてきた中では、こんなことがやり取りされていた……。
「……お疲れ~~~。
……なんだよあれ~~~、なにやらしてるんだよ~~~。」
「……ああ……まあなあ……。……当面、することもなくなったので、適当にやらせてるんだよ……。」
「……ああ……そうか……。
でもなあ……バックで8の字かあ……。多少は手加減してやれよな~~~。
……じゃあな~~~。」
「……おう……。」
……なんだか穏やかじゃない話を交わしているようだけれど……大丈夫なのかなあ……?
そんなことをじいじは思ったのだけれど……。
でも……さすがにバックでの8の字運転はきつかった……。
じいじはまだ左右のサイドミラーだけを見ながらのバック運転ができてはいなかった……。なので、仕方がないので運転席の窓から頭だけを出して、首だけを後ろに向けて8の字コースのバック運転をぐるぐる、ぐるぐると繰り返していた……。
やがて運転教習の指導時間の終了時刻になって、車外に出ていた先生が帰ってきた……。
じいじは、先生の側で車を止めて、指示を待っていた……。
「……今日で、仮免許検定前の認定をしておくから……。
次の教習時間は仮免許の検定試験だからな、間違えないように……。
検定試験は、別な試験官の車で受けることになるので、そちらで受けるようにすること……。
過度に緊張しないようにしていれば、まあ問題はないだろうよ……。
……その試験に合格すれば、次からは学校外の一般道路へ出ていくことになるので、楽しみにしておくといい……。
じゃあ……お疲れさん……。」
じいじは、ずっと首だけ後ろに向けて後ろを見つづけていたので、すっかり首の筋肉が凝ってしまっていた……。
なので、目に涙が滲んでくるほどに首が痛かった……。
「……どうした返事がないようだが……。」
「……あ、すみません……。
バックの運転の間中、首を片側ばかりに向けていたので、すっかり首が痛くなってしまいました……。
ちょっと、目の焦点がおかしくなって涙が出てきているので、返事が遅れてしまいました……。
すみません……ありがとうございました……。」
じいじは、教習認定表を先生から受け取って、次の教習時間の予約窓口へ行って、それを提出した。
すると、窓口のお姉さんが、案内をしてくれた……。
「……ええと、次は仮免許の試験になりますね……。次の予定は三日後の日曜日の十時からになります。
当日の試験で乗る車は、試験前の手続きの際にご案内しますので、試験時間にくれぐれも遅れないように登校してくださいね……。
……お疲れさまでした……。」
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




