二千五百九十八夜、じいじの高校生生活 1228 三年生 183 三学期から 2
今日は、じいじの番です。
眠れないのかい、それは困ったねえ。じゃあ、少しお話をしてあげようかね。どんなことがいいかな。何がいい?
「…………。」
そうだねえ、じゃあ、じいじが子供の頃のお話をしようかねえ。
まだ、高校生の頃のことだけれど……。
──じいじは、自動車学校への申し込み手続きを直接した覚えがなかった……。それでもちゃんと、目的の自動車学校へは入校することができたのだから問題ないのだろうと思う……。
当然ながら、他にもじいじのクラスや隣りのクラスからも、何人も同じ自動車学校へと通うことになっている……。
たぶん、学科や運転実技の授業を受ける時間はそれぞれ違ってくるのだろうけれど、学校内では顔を合わせることになるのだろうな……。
そして、そんな三学期の慌ただしい雰囲気の中の学校生活にも慣れてきた頃、家政科のBさんがじいじのところへと訪ねてきた……。
「……あの~~~……以前お願いしていた卒業文集の表紙絵のことなのですけれど……。
私たちのクラスの編集委員の間で話し合った結果、黒の厚紙に黒のインクで印刷をしようか……ってことになったのですけれど……。
……それで……そのことについて、それでもいいのかどうかについて聞いてきてくれって言われてきたのですけれど……。
……これがその印刷見本なんですけれど……。
……さっとだけでも見ていただけないでしょうか……。
……こんなふうになりますが……どんなでしょうか……。」
じいじがその紙をよく見ると、渡された黒い紙の表面には抄紙模様が入っていた……。
そんな厚みがある黒い紙に、確かに油性の黒いインク……たぶん、ガリ版印刷用の黒インクだと思うのだけど……で、じいじが彫った表紙絵の版画が、きれいに印刷がされていた……。
Bさんからそのお願い?を聞かされた時には、その一瞬は、なんだか気に入られなかったのかなあ……なんて思った……。
だけど……よくよくそれを見てみると……例えば、白や青、紅色などで印刷がされる時よりも、よほど落ち着いて見えるような気がした……。
一瞬は、え~~~~って思った……。
けれど、落ち着いて眺めてみると、これでまったく問題がないとじいじには思えた……。
「……うん……いいねえ……。……問題ないんじゃないのかなあ……。
……そのまま進めてもらったらいいんじゃないの……何も気にしなくてもいいよ……。」
そう答えながら、じいじはBさんから渡された卒業文集の表紙になる黒い厚紙を、彼女に返した……。
「……そう……よかった……。
……断られたらどうしようかと思ったわよ……。
……ありがとう……このまま進めさせてもらうわね……。」
……それでもう話が済んだのか、Bさんはにこっと笑んで、そのままそそくさと自分たちの教室へと小走りで帰っていった……。
──ああ……でもやっぱり……きっと、表紙絵の内容に対しての疑問意見が、編集委員の中からは出ていたのだろうな~~~っと、じいじは察していたけれどねえ~~~。
おや、眠たくなってきたかい、それじゃあ、おやすみ、いい夢を見てね。
良い夢に恵まれますように、おやすみなさい。また次の夜に……。




